2021 Fiscal Year Research-status Report
教員養成・研修の学びを次世代につなぐ、ICT活用教材と養成・研修プログラムの開発
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21K02859
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
松下 幸司 香川大学, 教育学部, 准教授 (40432778)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ICT活用 / 教員養成 / 教員研修 / 動画教材コンテンツ / 情報教育 / 情報活用能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
2~3年次(2022~2023年度)の事前予備研究として、本学教育学部2年次生を対象に、附属小学校のICT活用授業を学生が支援する演習活動「ICT授業支援活動」を組織し、学生を対象にICT活用授業参観を行った。授業参観を行う際、紙媒体にメモをとりながら参観することが通常の方法であるが、予備研究として、学生1人1台タブレットPCを持ち、「授業のポイント」や「疑問点」として見えてきた授業シーンを写真で撮影し記録するよう求めた。授業参観後、自分が撮影した写真を見ながら「授業のポイント」「疑問点」について観点整理することによって、写真を見ずに観点整理する場合に比べ、ポイント・疑問点の項目数が大きく増加し、また整理された観点もより具体的になる傾向が認められた。参観時には写真記録をとるよう指示していたものの、一部、自主的にメモをとろうとする学生の姿も確認された。 このような予備研究結果と学生の姿をふまえ、予備研究に続く本研究においては、タブレットPC上でメモをとりながら音声同期収録できるアプリケーションを用い、授業参観時に学生にメモをとらせるとともに、学生目線で収録した授業映像を学生のメモと同期させた映像情報を準備し、学生のメモ・映像情報をもとに、現職教員に「学習活動のねらい」「環境構成」「支援のねらい」などについて振り返り/解説を求め、学生が捉える「授業のポイント」「疑問点」と現職教員の振り返り/解説を総括した動画教材コンテンツを開発し、教員養成/教員研修において活用するプログラム開発を進めるという研究デザインを整理した。併せて、このような研究デザインとして研究を進めるにあたり、必要な機器/アプリケーション等の整備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症への対応により、2021年度、県下に「まん延防止等重点措置」が長期間定められたことを受け、学部生を教育現場に入らせることについては、教育実習以外の参与活動が大きく制限された。これにより本研究における学生の授業参観・ICT活用授業の支援活動も積極的な実施が難しく、一連の教育実習を終えた後、2021年12月にようやく数名を日数限定で受け入れていただける状況となった。これにより、予備研究としての成果が得られる程度の研究活動となった。 ただ、予備研究を行ったことにより、本研究に向けて必要な機材環境などを具体的に洗い出すことに繋がったことと共に、新型コロナウイルス感染症などにより、今後、対面での教員養成授業や現職教員研修が難しい状況にあっても、必要な教員養成/研修のための動画教材コンテンツについて、研究協力を仰いだ現職教員と検討協議し、研究デザインをより具体的にすることができたことは成果と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
教育現場において学生が対面で授業参観し、ノート記録/映像記録をとり、それをもとに現職教員が自らの教育実践に関する解説を加え、教員養成/研修のための動画教材コンテンツと授業/研修プログラムを開発することが、本研究の骨格であるが、【現在までの進捗状況】にまとめたように、新型コロナウイルス感染症への対応として、教育現場において学生が対面で授業参観できない可能性がある。本研究申請時点の計画段階では、多くの学生の他視点での観察記録をもとに、多様な観点からの授業実践や支援に関する動画教材コンテンツの開発を目指していたが、1授業を参観する学生数を3名程度に制限して研究を進行せざるを得ない状況にある。 併せて学校現場においては、GIGAスクール構想により整備された1人1台タブレットPCをいかに学習活動において活用し教師が指導/支援するかということが、今日的課題として挙げられる。「ICT機器の学習活動における活用」に視点を絞りながら、今日的課題に対応するとともに、時代の変化にあっても普遍的に求められる、学習活動の構成や教師による指導/支援の核について描く、動画教材コンテンツと教員養成授/教員研修プログラムの開発をすすめたいと考える。
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Causes of Carryover |
2021年度末時点で次年度使用額は0円となる執行計画であったが、次年度使用額(B-A)が171円となったことについては、見積額と納入額の差によるものである。171円については2022年度分として合算し、動画教材コンテンツの素材収録のためのSDカード(またはmicroSDカードを予定)購入費に充てたいと計画している。
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