2022 Fiscal Year Research-status Report
A Study on Long-Term Security Awareness Techniques Focusing on Alert Dialog Designs
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21K02861
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
小倉 加奈代 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 講師 (10432139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 亜未 法政大学, 理工学部, 助手 (40782347)
村山 優子 津田塾大学, 数学・計算機科学研究所, 研究員 (20264955)
西本 一志 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (50313721)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | セキュリティ意識 / 直接的ナッジ / 妨害的ナッジ / 単純接触効果 / 状況アウェアネス / 不便益 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的は,セキュリティ被害から身を守る持続性のある行動習慣(セキュリティ意識)を効果的に身につける方法の確立である.この最終目標に対し,本研究では,自発的状況に対応した行動へ直接的に誘導する「直接的ナッジ」,違和感や不快感を与え,遠回りさせることで適切な行動を熟慮させ,状況に対応した行動へ誘導する「妨害的ナッジ」の2つのナッジを定義し,この2つのナッジを取り入れた手法の立案,試作,評価に取り組んでいる. 令和4年度は,「直接的ナッジ」に対しては,(1) 単純接触効果を利用した歌詞あり楽曲動画つき警告ダイアログの試作と評価,(2) セキュリティ意識向上のためのリスクに関わる状況アウェアネスの検討に取り組み,「妨害的ナッジ」に対しては,(3) スマートフォン利用時の「意図しない表示・操作」に関する不快要因を用いた Web ブラウジング警告の試作,(4) 妨害,不便益を取り入れた技能習得および行動促進手法の開発に取り組んだ. (1)の成果として,作成したフィッシング攻撃の脅威を訴えた楽曲動画がフィッシング攻撃回避の対策としておおむね機能しており,事後アンケートからも重要情報の送信を安全性の面から再考させる点に有効であることを確認した.(2)の成果として,人間工学における状況アウェアネスの3段階モデルの適用可能性を検討した.(3)の成果として,「意図しない操作・表示」 インタフェースを試作し,今後の実験方法について検討した.(4)の成果として,「漢字健忘」問題に対し,誤字形漢字を文書中に埋め込み「思わず二度見させる」ことで人の注意を効果的に惹きつける手法を考案し,その効果を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は研究期間内に(1)セキュリティ意識向上評価のための尺度の調査・作成,(2)直接的ナッジダイアログ/妨害的ナッジダイアログの設計・試作・評価と改良,(3) 研究全体の総括の大きく3つを実施する計画であり,令和4年度はこのうち (1),(2)について実施した. 令和4年度の実施実績として,(2)については,主に3つの手法の設計と試作を行うことができ,うち2つについては評価実験を実施し,基本的な効果を確認することができた.一方で (1)については,利用可能な尺度の検討を行なっている段階であり,最終的な評価実験で利用する尺度の確定にいたっておらず当初の目標を達成できなかった.また(2)についても基本評価が完了していないものがあるため,やや遅れていると評価する.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況について,(1)セキュリティ意識向上評価のための尺度作成について,当初の目標を達成できていないため,令和5年度は,この点について優先的に進め,最終評価で使用する尺度を確定させ,利用予定の尺度の妥当性を確認するために予備実験を実施する.また,今までに実装した直接的・妨害的ナッジを取り入れた手法のうち,基本評価が進んでいないものについては基本評価を進める予定である.その他,直接的・妨害的ナッジを取り入れた各手法の統合作業と基本評価も進め,最終的な評価に向けた実験準備を行う予定である.なお,令和5年度に産休を取得する研究メンバーがいるため,本研究期間を1年延長する予定である.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が発生した理由の大きな理由は,(1)コロナ禍により計上した旅費の未使用が発生したため,(2)コロナ禍により対面での評価実験が実施できなかったことの2つである. (1)については,当初,研究打ち合わせを対面で実施することを想定し,成果発表に関する旅費,研究打ち合わせのための出張を1人あたり年2回程度行う想定で旅費を計上していた.しかし,所属の移動の制約により研究打ち合わせを対面で実施することが難しく,学会・研究会等についても,オンライン形態の開催が多く,旅費を使用する機会が発生しなかった.令和4年度の後半より,対面実施の成果発表機会も徐々に増えているおり,令和5年度は,成果発表を積極的に行うことで本研究に関する情報収集や,関連研究者との情報交換の機会を増やす予定であるため,今まで未使用分は令和5年度の成果発表,研究打ち合わせに使用予定である. (2)については,令和4年度以前は,一般の方に実験協力を依頼することが難しく,それぞれの所属メンバーの研究室所属学生等の限られた範囲内で実験協力をお願いせざるを得なかったため,当初の想定よりも謝金の支払い機会が少なく,実験用端末の貸し出しを行う必要も発生しなかった.今後は,実験協力者を一般に募ることも予定していることから,未使用分を実験時に貸し出し可能な端末の購入,謝金の支払いに使用予定である.
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Research Products
(5 results)