2023 Fiscal Year Research-status Report
Study of Strategies for Utilizing Educational Resources in Information Education Responding to the Progress of Society and Technology
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21K02864
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
中園 長新 麗澤大学, 国際学部, 准教授 (10646897)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 情報教育 / 教科間連携 / 公民教育 / 地理歴史教育 / 生成AI / 倫理 / デジタル・シティズンシップ / ELSI |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は主に、高等学校情報科に代表される情報教育と、他教科や先端技術の関わりに注目して研究を実施した。 他教科との関わりとしては、学習指導要領において教科間連携が明記されている公民科ならびに、その隣接領域である地理歴史科を主たる対象とした。各教科における必履修科目の検定教科書を入手し、そこに含まれる情報社会の扱いを分析することを通して、公民科や地理歴史科においても情報社会に対して一定の記述があり、各教科・科目の学習と密接に関連していることが確認され、情報教育を実施することが可能であることが見出された。 先端技術との関わりとしては、特に生成AIを活用することに伴う教育の変化や、我々の哲学・倫理観の変化の必要性について検討を進めた。このテーマについては技術的に発展途上であり、日々新たな技術が発表されて常識が刷新し続けている状況である。そのため今年度の研究だけでは確固たる方針等を提示するには至っていないが、技術的動向を中心に情報収集・検討を継続しており、変化し続ける中でも普遍であり続けるAI活用の本質がどこにあり、それを教育の中でどのように扱っているか、理論的検討を行っている。 なお、昨年度までに実施した学校図書館と情報教育の連携や、デジタル・シティズンシップあるいはELSIの扱い等についても継続して研究を進めている。これらのテーマについて2023年度は情報収集・資料整理と研究成果の整理を中心に行った。また、学外組織の研究会等から招待を受け、研究成果を講演することを通して、成果の社会還元を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたものと同等程度の研究を進めることができている。研究成果に関しては、各種学会の研究会等で発表を行い、参加者と議論することでより深い考察を目指すことができている。さらに、招待講演等で研究成果を発表し、成果の社会還元を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点ではほぼ当初計画通りに研究を進めることができているため、次年度も原則として計画に沿った研究を推進する。なお、これまでの研究成果により、情報教育の教育資源という視点から、公民科・地理歴史科との連携や、生成AIをはじめとするAIの発展とその背景に必要な倫理観について、今後の発展が特に期待できる見込であることから、最終年度である2024年度はこれらの教育資源を中心に研究を推進する予定である。ただし、学校図書館をはじめとするこれまでの対象についても、研究を止めるのではなく、継続的に調査・研究を実施する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍が5類移行で行動制約が減少したとはいえ、教育機関等への訪問調査は慎重にならざるを得ない状況が続いている。そのため本年度においても、現地を訪問しての調査は最小限とし、文献調査やオンラインツールを活用した研究を中心に実施した。そのため旅費を中心に当初予定額を下回ることとなった。 なお、2024年度は研究の最終年度であるため、理論研究の実装・評価や研究成果の対外発表等を多く予定しており、それらの旅費等で予算を使用する見込である。
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