2021 Fiscal Year Research-status Report
学習目標による「わからない」の可視化を目的とした授業支援システムの開発と評価
Project/Area Number |
21K02866
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Research Institution | Tsuda University |
Principal Investigator |
稲葉 利江子 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (90370098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 雄貴 東京理科大学, 教育支援機構, 教授 (50570090)
今野 貴之 明星大学, 教育学部, 准教授 (70632602)
岸 磨貴子 明治大学, 国際日本学部, 専任准教授 (80581686)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 指導支援システム / 指導方略 / 学習目標 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,学校教育の現場において,階層的構造により構成されている科目において「わからない」ことをどのように表現できるのかというデータを調査・蓄積するとともに,その理解・表現段階に応じた指導方略を設計し,システム開発を行うことを目的としている。 2021年度は,階層的構造より構成されている科目である「数学」を対象とし,2つの取組みを行った。ひとつは,大学生300名を対象とし「算数・数学の好き・嫌い」,「算数・数学の得意・苦手」,またその理由について調査した結果から「わからない」ことの分析を行った。その結果,「わからない」ことから嫌い・苦手の意識が生まれている可能性が高いことがわかった。また,「わからない」といっても,「何をやっているのかわからない」という思考停止の状態,授業がわかりにくいことで理解できないという状況,数学で用いられる「記号」がわからないという状況,など様々な要因があることがわかった。そのため,学習者の「わからない」の根本的な要因を基に支援方略を検討することで,学習者の「わからない」を「わかる」に変化させる可能性が見いだせた。もうひとつは,「できる・できない」が階層構造になっているのかの検証を「2次関数」をテーマとして行い,学習者の理解段階に応じた指導方略の設計の可能性を見いだした。 さらに,システム開発を行うにあたり,既存のノートテイキング支援システムの実践を通して,学習者の「わからない」を可視化するための検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は,①「何がわからないのか,わからない」の可視化,②要因分析に基づくシステム設計,を行う計画としていた。 ①については,具体的に数学の「2次関数」をテーマとして,学習者の「できる・できない」が階層構造になっているのかの検証を行うことにより,学習者の理解段階に応じた支援の可能性を見いだした。また,大学生への量的調査から、「わからない」の原因についての分析を行った。しかし,「わからない」の根本的な要因を明確にするところまではできていない。 ②については,既存のノートテイキング支援システムをベースとして,システム開発を行う方向性の確認は行ったが,具体的な機能設計まではまだ行えていない。2022年度に,機能設計を想定した実践をし,具体的な機能設計を行い,2022年度に予定通りシステム開発を行う予定である。 上記の状況から,「やや遅れている」としている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,システム開発と評価を行う予定である。 2022年度前半に,実践に基づいた具体的な機能設計を行い,後半にシステム開発を行う予定である。 課題としては,現在,「数学」を対象とした検討を行っているため,学習目標の種類である「言語情報」「知的技能」「運動技能」「態度」の全てに対応するシステム設計に繋がるかの課題はある。「わからない」を可視化するための機能として,学習目標の種類に依存するものと,そうでないものがあることが想定されるため,対象をどのようにしていくのかという点が検討事項と考えられる。そこで,教育実践の可能性も踏まえ,対象を決定していきたい。
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Causes of Carryover |
2021年度に,学内の特別研究費(単年度)50万円が採択されたため,そちらを優先して使用した。2022年度にシステム開発を予定しているため,2021年度の繰り越し分と合わせて使用する予定である。
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Research Products
(2 results)