2021 Fiscal Year Research-status Report
A Support System for Collaborating Laboratories to Promote Next-Generation Monozukuri based on Co-creation
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21K02869
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
浦 正広 金沢工業大学, 情報フロンティア学部, 講師 (40745072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 達也 金沢工業大学, 情報フロンティア学部, 講師 (00837453)
福江 高志 金沢工業大学, 工学部, 講師 (80647058)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 異分野融合 / ものづくり / 研究室連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の3年間の研究期間の実施初年度である2021年度は、異分野融合型ものづくりの実現に向けて、複数の学術分野の同異の可視化、また、ものの魅力と品質のマッピングを行った。 分野の可視化においては、まず研究代表者および分担者の研究室の蔵書のリスト化を行った。つぎに、国立国会図書館のAPIを用いることでリスト中の各図書の日本十進数分類表に基づくカテゴリや発行年などの情報を取得した。この情報をグラフや表として可視化することで、分野の差異を視覚的に提示するシステムを構築した。これにより、各々の専門分野であるメディア情報学、経営情報学、機械工学の各分野の特徴が可視化された。たとえば発行年では機械分野は古い図書が多く経営情報学分野では新しい図書が多いといったように、蔵書を分析することで分野の特性が示された。 また、魅力と品質のマッピングにおいては、飲料用のコップを題材として、ひとにとって心地よい温感を提供するための伝熱設計に繋がるマッピングを実施した。これは、機能だけでなくユーザー体験も意識したものづくりの手法として、機械分野において着目されているデライトデザインに繋がるマッピングである。コップという機械工学分野においては一般的ではない題材やメディア情報学の領域である心地よさという印象に加え、ゆくゆくは経営情報学の領域であるコストなども含めた拡張を視野に入れたマップであり、異分野融合型ものづくりを見据えた取り組みといえる。 上記取り組みで得られた知見のうち、分野間の差異については、機械工学分野のシンポジウムにおけるパネルディスカッションの冒頭で可視化された差異を提示し、機械工学分野の特徴の客観化を行い活発なディスカッションを誘発した。また、印象と機能のマッピングについては、機械工学分野の国内学会大会で口頭発表を行い、異分野融合型ものづくりに繋がる視点を機械工学分野に提供した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
導入予定機器の発売延期に伴い、初年度を予定していた研究室間を常時接続するシステムの開発・稼働は実施できていない。いっぽうで、蔵書リストから各分野の特徴を可視化する共通言語形成支援システムを構築し、分野間の同異を可視化し、また、各研究領域が関わる学問などの分野の繋がりの可視化も行った。これは、次年度を予定していた分野マップの一部である。また、コップを題材とする魅力と品質のマッピングも、次年度を予定していた異分野融合の開始に相当する。このように、機器の導入が行えなかったことによりシステム開発面で一部の遅れは生じているものの、ほかの面では前倒しで実施できている。 以上より、総合的な視点から進展はおおむね順調であると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に予定していた研究室間常時接続システムを次年度中に開発・運用する。また、本年度に開発した共通言語形成支援システムは、分析対象の研究室を増やすことで、その範囲や精度を高める。次年度に予定していた内容を前倒して実施できている分野マップや異分野融合は継続して推進する。これらの成果をまとめて、学会などを通して広く社会に発信する。
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Causes of Carryover |
世界的な半導体不足に伴い、研究室間常時接続システムの開発の動作端末として予定していた機器の発売が延期され、次年度使用が生じた。当該機器が発売され次第、早期に購入するが、なにかしらの理由で発売が次年度から更に延期されるようであれば、次年度中に要件を満たす代替機器を調査・購入する。
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Research Products
(1 results)