2021 Fiscal Year Research-status Report
cognitive stage factor and lesson styles inherent in understanding concepts of physics
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21K02885
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
庄司 善彦 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 准教授 (90196585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗尻 修治 広島大学, 先進理工系科学研究科(総), 准教授 (90353119)
斉藤 準 帯広畜産大学, 畜産学部, 講師 (90757668)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 物理教育 / テスト理論 / FCI / CTSR / 大学受験学習 / 学習過程モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) Validity of Force Concept Inventory evaluated by students’ explanations and confirmation using modified item response curve, Y.Shoji, S.Munejiri, and E.Kaga, Phys. Rev. PER, 17, 020120. 力学概念理解度調査(FCI)Q29に対する学生回答が、項目応答理論のロジスティック関数に乗らない事は、多くの研究者に指摘していたいた。この問題に対して、学生アンケートの記述から回答論理を特定した。知識を欠く学生は誤概念が活性化されず、知識を欠いたまま正解を選んでいたのである。ここでは新たな項目解析手法MIRCを提案し、用いた。 (2)「FCIゲインに寄与する認知段階因子と学習形態因子(1)」日本物理学会2021年秋季大会発表。大学生のFCIスコアと科学的推論能力テスト(CTSR)の相関を、入試科目選択と学部別に解析するという、本件の試みを紹介した。少ないサンプル数であったが、物理誤概念の克服は高校の物理教育に加えて、受験対策学習によって克服されていることを、データは示唆した。 (3)「FCIゲインに寄与する認知段階因子と学習形態因子(2) -解答変化から見た誤概念克服過程-」日本物理学会第77回年次大会発表。講義前から講義後の学生回答の変化を、不安定回答の割合に注目して定量解析した。項目別解析は世界初である。不安定回答の割合は項目によって異なることが示され、項目の分離能力を示す新たな指標として提案した。 (4)「ブレンド型実験授業における学習成果と認知段階因子との関係」日本物理学会第77回年次大会発表。ブレンド型授業における学生の学習行動とCTSRの相関を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の感染拡大により、予定されたFCIとLCTSRを用いた学生調査をほとんど進めることができなかった。オンライン講義でテストの機密性を保つことが難しかったことにより、実施できた対象は少数の学生に止まった。R3年度は、ペーパーテストの実施経験とPCを含む集計ツールの確認までであった。予期していた状況ではあるが、本研究の重要要素を進めることができなかった。さらに他大学に協力を求める作業も、すべての学会がオンライン開催となったためコミュニケーションが難しく、開発できていない。 テストの解析手法の開発は、最終段階ではないがかなり進めることができた。解析用PCの購入と、汎用統計解析ソフト「R」のインストールにより、項目応答理論を使った解析結果を発表できた状況である。途中経過ではあるが「研究実績の概要」に示した成果を発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の感染状況は終息に向かいつつあるとしても、予断を許さない状況である。学生調査を進める必要があるが、現時点(R4年5月)において昨年度以上のデータが得られている状況である。状況が許す範囲で調査を拡大していく推進方策をとる。 解析手法の開発は完成に至っておらず、さらに進める必要がある。年度内に英文学術雑誌に論文を投稿する予定で、仮のタイトルは「Process of Overcoming Physics Missconceptions -- Analysis of Loss in Force Concept Inventory --」である。また途中経過であっても、学会発表を通じて研究の意義を広めていく。 R4年度は海外出張を予定しているが、実施の可否はCOVID-19の感染状況に依存する。海外の国際会議の開催形態の状況を一つの指標として判断する方針である。R5年度への延期の可能性も高いと予想している。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大により、学会参加旅費および学生調査経費を使うことができなかった。
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