2023 Fiscal Year Research-status Report
探究的な深い学びのための地域の自然特性を活かした教材開発に関する研究
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21K02928
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
飯野 直子 熊本大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (80284909)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 地域教材・素材 / 大気環境 / 再生可能エネルギー / 探究的な深い学び / 教科横断 |
Outline of Annual Research Achievements |
教科横断的な探究的深い学びを提供するためには,身近な地域教材が有用であると考える.本研究では,理科を主軸として児童生徒が各教科等の「見方・考え方」を働かせて自分事として探究的に取り組む教科横断的な教材・学習プログラムの開発,および学校現場の教員がそれぞれの地域特性を生かした探究教材開発を行う際の手引きを作成することを最終目的としている.今年度は以下の研究を実施した. 探究的深い学びのための素材として,前年度に引き続き,九州地域を対象に大気環境や火山活動に関するデータの収集や観測を行った.本研究で得られた大気や火山の観測画像を学習素材や教材として利用できるように,インターネットを介して提供するためのアーカイブを作成した. 児童生徒自身がICTを活用して,信頼できる情報やデータを用いて探究的に学習するための資料教材として,小中学校において再生可能エネルギーを題材に学習する際に有用であると思われる,公的機関の情報やデータを検討した.また,教科横断型の学習とするために理科や社会科,技術家庭科などの教科におけるエネルギー関連の内容の取扱いについて整理した. 越境大気汚染に関する探究的な学習のための教材化を行うとともに,それらのデータ等を利用して作成したデジタルコンテンツや情報を提供するためにホームページを作成した. 日本では気象庁による目視観測が次々に終了しているため,大気現象を観測画像で記録する重要性が高まっている.大気環境に関する探究教材開発のための基礎研究として,2023年4月中旬に全国各地に飛来した黄砂現象を対象に,大気環境データ,気象状況,分光器による分光放射照度の測定データとタイムラプスカメラ画像のRGB値の対応について検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿って研究を実施し,その成果をインターネットを介して提供したり,論文にまとめたり学会発表することができている.
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Strategy for Future Research Activity |
環境や自然災害,エネルギーに関する学習素材・教材はできるだけ新しいものを提供することが望ましいため,これまで同様,今後も大気環境に関するデータの収集や観測・解析を行うとともに,自然災害やエネルギーに関する情報収集も継続し,“学校現場で利用しやすい形”でアーカイブ・Web公開する.また,環境,自然災害,自然エネルギーに関する教材や学習プログラムの開発や改善を行い,それらを例に教材作成方法などの手順書を作成する.
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