2023 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンダイオード教材を用いた教育プログラムの構築と実践
Project/Area Number |
21K02937
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Research Institution | Maizuru National College of Technology |
Principal Investigator |
内海 淳志 舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (30402663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 一平 舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10511735)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 教材開発 / 半導体教育 / ダイオード / 液体金属 |
Outline of Annual Research Achievements |
半導体デバイスを学習するための実験教材として,液体金属を電極に用いたショットキーダイオードを提案している。このダイオードは,蒸着装置やスパッタ装置などの製造装置を使用せずに作製できるため,大学や高専の半導体実験室以外で作製実験を行うことができる。本研究の目的は,このダイオードを教材とした半導体デバイス作製実験の教育プログラムの構築とその効果の検証である。 2021年度から2023年度の3回に渡り,ショットキーダイオードの作製実験の実施と改良を行った。作製実験を行ったのは舞鶴工業高等専門学校(以下,舞鶴高専)の専攻科1年生(半導体工学を学習済みの20~21歳の学生)である。2021年度は新しく構築した教育プログラムの試行であったが,作製したデバイスの電流電圧特性に大きなばらつきが見られたことから教材の課題が明らかになった。2022年度はデバイス毎の特性のばらつきを抑えるために,使いやすい液体金属の開発に取り組んだ。液体金属は変形しやすいため,測定時に電極の形状が崩れる場合がある。そこで電極形成時には液体でありながら,測定時には固体化する液体金属を開発した。また,2回目のショットキーダイオードの作製実験を実施した。前年度からの変更は,説明に用いる資料の改訂が主であった。わかりやすい説明資料が準備できたこともあり,半導体デバイスへの興味が高まったとのアンケートへの回答が増え,一定の教育効果が確認された。2023年度は3回目のダイオード作製実験を実施した。作製プロセスを簡単化し,学生実験室で作製実験ができるように変更した。結果として,より短時間でダイオードの作製が可能となり,測定やデバイスの動作原理の説明に時間を割り当てることができた。また,アンケートにおいても,半導体デバイスの作製プロセスおよび動作原理への理解が深まったとの回答が多く,効果的な教育が実践できたものと考えられる。
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