2021 Fiscal Year Research-status Report
バーチャルリアリティ技術を駆使した小学校児童向け視覚体験型放射線教育教材の開発
Project/Area Number |
21K02941
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
小倉 巧也 北海道科学大学, 保健医療学部, 助教 (20849228)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 放射線教育 / バーチャルリアリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
福島第一原子力発電所事故発生後,原子力災害被災地では,小学校児童の放射線リテラシー醸成を目的とした様々な放射線教育プログラムが実施されている.小学生にとって,目に見えない現象である放射線を概念のまま正しく理解することは発達段階上困難であり,より直感的理解を実現する放射線学習教材の開発が求められている. 本研究では,小学校児童への導入が難しい「透過性」や「遮蔽効果」など,放射線の性質に関する基礎的知識を無理なく導入するために,直感的理解を支援する視覚・体験型のバーチャルリアリティ(以下,VR)放射線教育教材の開発を行っている. 本年度は北海道及び福島県の小学校教諭に対して質問紙調査を行うことで,VR放射線教材開発のニーズ調査を実施した.その結果,放射線の種類,放射線の種類ごとの飛程距離の違い,放射線の透過性,放射線防護,放射線の生物影響に関する教育ニーズがあることが確認された.これらの結果をもとに,今後開発を行う放射線教育教材のテーマを選定した.既に教材案の構想を練っており,併せて教材作成のための開発エンジンの選定を行うなど,教材開発に着手している. 次年度よりプログラミングを含めた本格的な教材開発に取り組んでいく予定である.併せて,実際の教育現場で活用可能な教育教材とすべく,学習指導案についても検討を進めていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は「小学校における放射線教育の項目ごとのニーズ調査及びテーマ選定」を実施した.北海道及び福島県の小学校教諭に対して質問紙調査を行い,VRを利用した放射線教育に関するニーズ調査を実施した.本結果を踏まえ,VR教材として開発を実施する放射線教育項目の選定を行った.また,VR放射線教材を作成するための開発エンジンの選定を行い,構想を練って教材作成に着手している.以上,本研究は順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は「ニーズ調査に基づくVR放射線教育教材の開発」を実施する.2021年度に実施した質問紙調査によって得られた放射線教育ニーズに基づき,小学生が直感的に放射線の性質について学習することが可能な視覚・体験型VR放射線教育教材の開発を実施する.併せて,実際の教育現場で活用可能な教育教材とすべく,学習指導案についても検討を進める.
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Causes of Carryover |
予定額よりも消耗品購入費が安価に購入できたため.次年度の消耗品費に充てる.
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