2021 Fiscal Year Research-status Report
SNS型教職eポートフォリオを活用したオンライン授業実践力と省察力の育成
Project/Area Number |
21K02948
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
谷塚 光典 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (30323231)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 孟 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (70642528)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 教師教育 / 教員養成・教員研修 / 教育実習 / 実践的指導力 / 臨床経験科目 / リフレクション / 学び続ける教師 / ICT活用指導力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,オンライン授業の特徴を踏まえた授業観察記録を用いて,eポートフォリオ上での相互評価により非同期的な深い議論を通して,観察者としてのオンライン授業観察力を身につけるとともに,授業者としてのオンライン授業の実践力・省察力を獲得するモデルを構築することである。初年度である令和3年度は,次の研究を実施した。 1.国内外の教員養成・教師教育,初等・中等教育段階におけるオンライン授業実践,および,教職eポートフォリオに関する文献及び情報を収集した。 2.信州大学教育学部でこれまで運用してきた教職eポートフォリオ・システムの比較から,教職志望学生の成長を促す教職eポートフォリオの特徴と効果を検討した。Webベースで作成する教職eポートフォリオを活用して,スタンダードとエビデンスに基づくリフレクションと相互コメントを行うことによって,自己課題の明確化,自己の教師像を考え直す機会の設定,自らの資質・力量の現状理解等に効果があることがわかった。 3.令和3年度に実施した新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた教員養成初期段階の臨床経験活動について,実施状況から成果と課題を明らかにした。学部1年次生「教職・カリキュラム論」と学部2年次生「教育臨床演習」のいずれも,感染拡大状況により,当初の日程や内容を大幅に変更することとなったが,工夫をしながら臨床経験活動を実施可能であることがわかった。 4.本研究課題に関連して,日本教育工学会全国大会(秋季大会および春季大会),日本教育工学会研究会,日本教育大学協会研究集会等において研究発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書に述べられている具体的な研究課題3点のうち,特に「SNS型教職eポートフォリオに最適な教育クラウドシステムの選定」に関連して,信州大学教育学部でこれまで運用してきた教職eポートフォリオ・システムの比較から,教職志望学生の成長を促す教職eポートフォリオの特徴と効果を検討し,次年度以降に開発する教職eポートフォリオの基本設計を進めることができた。令和4年度には,開発業者とも連携をとりながら,自己評価機能と相互評価機能を備えたSNS型教職eポートフォリオの開発と試行を行うことが予定されている。 そして,初年度の研究・調査の結果を,日本教育工学会全国大会(秋季大会および春季大会),日本教育工学会研究会,日本教育大学協会研究集会等において成果発表したことからも,おおむね順調に進展していると考えられる。 ただし,新型コロナウイルス感染症の状況により,海外の教職eポートフォリオ視察を実施できなかったこと,および,教員養成初期段階の臨床経験活動に制約があったことから,初年度に予定した内容の一部は次年度以降に持ち越しとなっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2年次の令和4年度においては,初年度の研究成果を踏まえて,研究計画調書に述べられている具体的な研究課題3点のうち,特に「最適な教育クラウドを活用したSNS型教職eポートフォリオの開発と運用」に関連して,教育クラウドシステム上で動作するSNS型教職eポートフォリオを開発を進める。試行しながら,日常的な自己評価機能および相互コメント機能の効果を検証する。また,国内外の関連学会に参加し,情報の収集やこれまでの研究調査の成果発表を進めていく。 最終年度の令和5年度においては,2ヶ年度の研究成果を踏まえて,eポートフォリオ上のオンライン授業観察記録を用いた省察力育成方法を検討する。そして,最終年度として研究をとりまとめ,国内外の関連学会に参加することに加えて,学会誌等に投稿し,研究成果を公開していく。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大により,オンライン開催された学会が多く,予定していた国内旅費を執行する必要がなかったため。
|
Research Products
(21 results)