2021 Fiscal Year Research-status Report
Chemical Education through systems thinking and responsible research in post-pandemic
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21K02950
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
喜多 雅一 岡山大学, 教育学研究科, 特命教授 (20177827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 孝義 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 教授 (80249953)
榊原 保志 信州大学, 教育学部, 特任教授 (90273060)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | システム思考 / カリキュラム / ツール / 電気伝導度 / 化学電池 / 水の循環 / 中学校理科 / 高校化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
化学教育に「システム思考」の方法を取り入れたカリキュラムや活動がカナダ,英国,米国などで報告されているので,これらの研究者との情報交換をメールベースで行った。本来であればこれらに基づき,当初の海外での研究状況調査を行う予定だったが,COVID-19のため,断念し,次年度以降に繰り越した。 今年度は,主に,システム思考のツールとそれをどのように化学教育に取り入れるべきかに関して文献調査を行い,国内の中学校,高校で実施可能な活動をイオン,電気伝導度,化学電池というエネルギーを扱う分野に焦点を当てた。大学の理学部化学科の学生対象のシステム思考とは何かまたどうして必要なのかの理解を促す活動を計画しており,そのために事前のアンケートを作成中である。 システム思考のツールとしては,時系列変化パターン,ストック・フロー図,因果ループ図,それらを統合したシステムを明示した概念図(SOCME),社会にどのような影響が現れるかを示すシステム・ダイナミック・モデリングなどを検討した。 植物体に多く含まれるカリウムイオンに着目して,様々な観点からその量を求める探究活動とシステム思考の育成に関して行った高校での授業実践を2021年度日本理科教育学会全国大会で,また最初の化学電池であるボルタの電堆をエネルギーに関する発展の歴史をシステム思考から中学校で行った授業実践ならびに水の循環に関するシステム思考の育成の授業実践を2021年度日本理科教育学会中国支部大会で報告した。以上3件の学会発表が今年度の研究実績である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究者間でどのように研究を進めていくかの議論を学会発表などを通して行った。また,喜多・榊原は連名で研究発表を行った。 化学教育にとどまらず,小・中・高校の理科の中で「システム思考」に必要な技能や能力がアメリカの次世代科学教育やオーストラリアのK-6の科学とテクノロジーのカリキュラムにしっかり位置づけられており,STEMならびに文理融合のツールとしても注目されていることを文献調査で明らかにした。合わせて,教科内容を社会や地球規模の問題として概念図としてまとめる方法が地学(地球システム),生物(生物の中の様々なシステム),化学(ミクロ-マクロ-グローバル),物理(エネルギーシステム)において考えられており,これをカリキュラムから授業レベルの活動へと練り上げていく必要がある。研究としての焦点化がこれらの文献調査によって明らかになってきている。 実践レベルでの研究を3件実施でき,これらを論文にまとめる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
特に化学教育におけるシステム思考は,化学物質が社会に与える影響も含めて,責任ある研究の上でのイノベーション(RRI)が求められる。これらの要素を取り入れたシステム思考の概念図も必要である。これは今年度以降に検討する。 どのようなツールを中学生,高校生,大学生に使えるように史,システム思考の技能を発展させるかについても検討していきたい。 2022年度はシステム思考およびRRIについて海外調査を行いたい。共同研究者も同様に海外調査を実施する予定である。 また中学校,高校,大学でシステム思考の様々なツールを取り入れた活動の研究授業を行い,具体的にどのような能力が獲得可能かも検証する。 具体的なカリキュラムへの導入を提案し,検証する。学会や講演会,セミナーを通して,本研究の目指すシステム思考を使った課題解決を提案していく。
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Causes of Carryover |
同様または類似の研究を行っているカナダ,オランダ,オーストラリアなどの研究者と情報交換ならびに彼らが関わっている学校現場での視察などを計画していたがコロナ禍で実施できなかったため,次年度に繰り越した。 最近の情報では,フィリピンやマレーシアでも学校教育に導入するシステム思考に関する研究は行われているので,コロナが収まったらアジアの国々にも調査に行く予定である。
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Research Products
(4 results)