2021 Fiscal Year Research-status Report
Driver Take-Over Reaction in Autonomous Vehicles
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21K02964
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
志堂寺 和則 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (50243853)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 交通心理学 / 自動運転 / 権限移譲 |
Outline of Annual Research Achievements |
自動車の自動運転が注目されているが、実際には一気に完全自動運転が実現するのではなく、段階的に自動化を進めていくことが計画されている。現在、市販車両に搭載されている自動運転技術の次の段階では、自動車からドライバーへと運転の引き継ぎ(権限移譲)が発生する。しかし、この権限移譲については研究が不足しており、一般ドライバーはうまく運転を引き継ぐことができるかどうかは明らかになっていない。そこで、本研究では、発生頻度が高いと思われる権限移譲場面において、高齢者等の一般のドライバーがどのような運転行動をするのかについてデータを収集し、その知見を元に、安全な権限移譲のためのインタフェースを提案することを目的としている。なお、本研究では、SAEのレベル3(条件付運転自動化)を扱う。レベル3では高速道路などの限定領域(走行可能な区域、速度、時間等)において自動走行するが、限定領域を出る場合やシステム異常等の場合にはドライバーが運転を引き継ぐという権限移譲が発生する。 初年度である本年度は、研究で使用する実験用ドライビングシミュレータの開発を行った。このドライビング・シミュレータはUnityを使用して開発した。Unityはゲームエンジンとして一般にもよく使用されるものであり、かなりの程度でリアルな表現が可能であり、実験場面の迫真性が高められることが期待できる。権限移譲発生から運転を完全に引き継ぐまでの間の運転行動をより詳細に、時系列に沿って可視化できるように開発を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では、実験用ドライビングシミュレータを開発し、翌年度に実施する実験(本実験)の予備実験を実施する計画であった。実験用ドライビングシミュレータは計画通り開発を行うことができたが、予備実験の実施ができなかった。これは新型コロナウイルス蔓延防止のために、予備実験を行う予定であった時期(冬)に実験室を使った実験を大幅に制限せざるを得ず、実施できなかったことによるものである。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に予備実験を実施することはできなかったが、もし新型コロナウイルス感染が収まって実験室実験が本来の形で実施できるようになれば、全体としては遅れを取り戻すことができると考えている。新型コロナウイルス蔓延状況しだいではあるが、翌年度(令和4年度)に予備実験を実施することで全体としては大きな影響はでないと考えられる。もし、新型コロナウイルス感染が続き、実験室実験を制限せざるを得ない状況が続くようであれば、オンライン型のドライビングシミュレータを開発し、それによる遠隔での実験を検討する。
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Causes of Carryover |
実験用ドライビングシミュレータ開発のための学生アルバイト雇用経費が見積もりよりも少なくて済んだ。予備実験が実施できなかったため、そのための学生アルバイト雇用経費を使用しなかった。予備実験が実施できそうになかったため、実験用のコンピュータを購入しなかった。新型コロナウイルス蔓延の影響で旅費を使用しなかった。これらについては、令和4年度(場合によっては令和5年度)に使用する予定である。
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