2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K02968
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
安野 智子 中央大学, 文学部, 教授 (60314895)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 対外知識 / 世論調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目に当たる2021年度は、①中国文化研究者およびロシア・東欧研究者との研究報告会、②東アジア地域(中国・韓国・台湾)およびロシアに関する知識の調査、を予定していたが、予想外にコロナ禍が長引いたため、2022年度に持ち越すこととした。その準備として、2021年度には、外交や外国への意識に関する過去の調査および研究のサーベイを行った。 新型コロナ禍をきっかけに、中国に対するイメージは世界で低下しているが(CEIAS,March 28,2021; Pew Research Center,Oct6,2020)、日本では「親しみを感じる」という回答がもともと低かったせいか、低下の幅は2~5ポイント程度と、悪化しているものの大きな変化はない(言論NPO 2021「第17回日中共同世論調査」;内閣府 2021「外交に関する世論調査)。ただし、中国人の対日感情が急激に悪化しているという指摘もある(言論NPO,2021)。ロシアに対する世界の印象も、従来よりあまり好意的ではなかったが(Pew Research Center, Dec 16,2020)、2022年度は、ロシアによるウクライナ侵攻で、ロシアに対する世界の印象が悪化していると考えられる(例としてPew Research Center, March30,2022)。 一方で、今回のウクライナ侵攻により、ロシアおよび東欧の地政学的な知識を世界中の人が得たというのも事実であろう。このことは、新型コロナ禍が、発生地とされる中国への印象を悪化させつつ、中国についての知識を得るきっかけにはなっていないことと対照的である。2022年度には、こうした観点から、改めて「知識」に関する調査を設計する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
最大の理由は、コロナ禍が長引いたことである。研究会で専門家のアドバイスを得ながらの調査項目作成が難しかった。また対中感情が悪化して、中国や海外に関連する知識の測定として適切なタイミングが見いだせない中、2月にはロシアのウクライナ侵攻も起きてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、2年目として予定していた「ヨーロッパ」「オセアニア」「アフリカ」に加え、1年目に実施予定だった「東アジア」「ロシア」についての調査を並行して行うことで、計画の遅れを取り戻す予定である。 なお、東アジアとロシアについては、「コロナ禍およびロシアのウクライナ侵攻が中国・ロシアへの知識と感情に及ぼした効果」という観点から検討できるような調査計画とする。
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Causes of Carryover |
2021年度には予定していたウェブ調査が実施できなかったため、全額を2022年度に繰り越し、2022年度に2つの調査をともに実施することとする。 したがって、2022年度は、2年目として予定していた「ヨーロッパ」「オセアニア」「アフリカ」に加え、1年目に実施予定だった「東アジア」「ロシア」についての調査を並行して行うことで、計画の遅れを取り戻す予定である。 なお、東アジアとロシアについては、「コロナ禍およびロシアのウクライナ侵攻が中国・ロシアへの知識と感情に及ぼした効果」という観点から検討できるような調査計画とする。
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