2021 Fiscal Year Research-status Report
自嘲的ユーモアの2次元モデルの検証とそれに基づく介入プログラムの開発
Project/Area Number |
21K02975
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Research Institution | Hijiyama University |
Principal Investigator |
塚脇 涼太 比治山大学, 現代文化学部, 准教授 (60599702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井邑 智哉 佐賀大学, 学校教育学研究科, 准教授 (80713479)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ユーモア / 自嘲的ユーモア / 心理学的well-being / 抑うつ / 不安 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,自嘲的ユーモアの2次元モデル(Tsukawaki & Imura, 2020)の妥当性を検証し,人々の良性な自嘲的ユーモアの育成を目指した介入プログラムを開発することである。 令和3年度は,自嘲的ユーモアの2次元モデルの妥当性を検討するために,2つの研究を実施した。まず,我々(Tsukawaki & Imura, 2020)が開発した自嘲的ユーモアの2次元尺度(Dual Self-Directed Humor Scale)と,社会経済的地位との関連を調べ,モデルの妥当性について検討を加えた。この研究では,社会経済的地位の高い者は,健康的な行動(良性の自嘲的ユーモア)を使用するであろうという仮説が調べられた。結果は仮説を支持し,自嘲的ユーモアの2次元モデルの妥当性が支持された。次に,大学生を対象とした縦断的調査によって,自嘲的ユーモアがwell-beingに及ぼす影響が推定された。自嘲的ユーモアの2次元尺度と,心理的well-beingの指標 (不安,抑うつ,主観的幸福感)に関する尺度を,3か月の間隔を開けて実施し,交差遅延効果モデルによる解析を行った。その結果,仮説は概ね支持され,悪性の自嘲的ユーモアは,経時的なうつ病の増加を予測し,良性の自嘲的ユーモアは抑うつと不安の減少を予測した。この結果も,自嘲的ユーモアの2次元モデルの妥当性を支持するものであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は当初の計画通り進展している。令和3年度は調査研究によって自嘲的ユーモアの2次元モデルの妥当性を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度も当初の計画に沿って,研究を推進する。具体的には,実験的手法を用いた研究によって,自嘲的ユーモアの2次元モデルの妥当性を検証する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては,新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い,予定していた打ち合わせや学会への参加が中止されたことが大きい。これらの助成金は令和3年度に実施できなかった打ち合わせのための旅費や学会への参加費として使用する。また,当初は使用計画に組み込まれていなかったが,研究論文をオープンアクセス出版し,広く社会に公開するための費用として使用する。
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Research Products
(2 results)