2023 Fiscal Year Research-status Report
認知バイアス総合アセスメント尺度に基づくヘルスプロモーションプログラムの開発
Project/Area Number |
21K02986
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
高比良 美詠子 立正大学, 心理学部, 教授 (80370097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 まさみ 十文字学園女子大学, 教育人文学部, 教授 (00334566)
森 津太子 放送大学, 教養学部, 教授 (30340912)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 認知バイアス / 尺度作成 / ヘルスプロモーション |
Outline of Annual Research Achievements |
判断、意思決定、記憶などに見られる、系統的で予測可能な認知のエラーは、一般に「認知バイアス」と呼ばれており(e.g., Wilke & Meta, 2012)、日常生活においてこのような認知バイアスを経験することは、個人のWell-beingに悪影響を及ぼす可能性が指摘されている(e.g., Shafir, 2013)。なお、これらの認知バイアスは、人が共通して持っている認知システムに基づいて生じると考えられているため、特定の人のみが経験するものではなく、遍在する現象であると見なされてきた。しかし、現在提案されている認知バイアスを個別に検討していくと、多くの人が共通して経験する現象ではあるものの、経験の程度には個人差が存在していることが明らかになってきた。そこで本研究では、代表的な80種類の認知バイアス経験の個人差を一括して測定可能な「認知バイアス・アセスメント尺度(CBA)」の開発を行い、これらの認知バイアスの経験と個人のWell-beingの関係を明らかにすることによって、個人の健康増進に役立つ知見を提供することを研究の最終目的とした。 当該年度においては、開発した「認知バイアス・アセスメント尺度(CBA)」の妥当性についてさらに検討を進めるために、対象者の属性を前年度に行った調査より広げ、異なるサンプルにおいても同様の結果が再現されるかを検討した。また、認知バイアスの経験と個人の認知処理スタイルの関係についても検討を行い、認知バイアスを経験する程度に個人差が生じる原因についての考察を深めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題では、開発した「認知バイアス・アセスメント尺度(CBA)」を用いて、個々人が経験しやすい認知バイアスのタイプを同定し、それにあわせたヘルスプロモーションプログラムを提案することを目指している。ここまでは、主にCBAの開発研究を進めてきたが、認知バイアスのタイプに応じたヘルスプロモーションプログラムの提案については、令和6年度に実施予定の調査研究の結果に基づいて行う予定である。そのため、現在までの進捗状況としては、「(3)やや遅れている」を選択した。 令和5年度に、ヘルスプロモーションプログラムの提案に繋がる研究の実施に至らなかった理由としては、多種多様な認知バイアスの経験の程度を包括的に測定することにより、認知バイアスの種類をタイプ別に分類する尺度がこれまでになく、CBAの妥当性の検討に多くの時間を費やした事が挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初に立てた全体計画の流れに沿って研究を進める。まず、令和6年6月に、開発済みの「認知バイアス・アセスメント尺度(CBA)」を用いた調査を、幅広い年代や職業従事者を対象に実施する。そして、CBAの下位尺度得点等を利用して、経験しやすい認知バイアスのタイプに基づき個人をクラス分けすることの妥当性について検討する。その上で、特定のタイプの認知バイアスを経験しやすい個人の特徴を明らかにするための縦断調査を行い、その結果に基づいて、タイプ別のヘルスプロモーションプログラムの提案を行う。
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Causes of Carryover |
本研究課題では、開発した「認知バイアス・アセスメント尺度(CBA)」を用いて、個々人が経験しやすい認知バイアスのタイプを同定し、それにあわせたヘルスプロモーションプログラムを提案することを目指している。そこで、第一段階として、認知バイアス・アセスメント尺度(CBA)の開発を行ったが、CBAのように、多種多様な認知バイアスの経験の程度を包括的に測定し、認知バイアスの種類をタイプ分けするような尺度はこれまでになかったことから、妥当性の検討に多くの時間を費やした。そのため、認知バイアスのタイプに応じたヘルスプロモーションプログラムの提案に必要な研究は、次年度使用額を用いて令和6年度に実施する予定である。
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