2022 Fiscal Year Research-status Report
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21K02994
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
園田 菜摘 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (00332544)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 対人的自己効力感 / 幼児期 / 児童期 / 教師への認知 / 問題行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、幼稚園年長児から小学1年生にかけての縦断的な検討を行い、子どもの自己評価の発達とそれに関連する要因について明らかにした。 52名の子どもを対象に幼稚園年長児時点から小学1年生時点までの縦断的検討を行った結果、子どもの対人的自己効力感の下位尺度である「問題解決主導型の効力感」「受容信頼型の効力感」はいずれも幼児期と児童期の間で有意な正の相関があり、幼児期に形成された対人的自己効力感の高さは、仲間関係が一新される児童期においても同様に維持されることが示唆された。また、小学1年生時点の担任教師への子どもの認知は、幼児期、児童期の対人的自己効力感とは有意な関連は見られなかった。さらに、子どもの問題行動(「社会的ルールの逸脱」「集中力の無さ」「心身の不調の訴え」)について幼児期、児童期に母親に評定してもらったところ、児童期の子どもの対人的自己効力感の下位尺度である「問題解決主導型の効力感」「受容信頼型の効力感」はどちらも児童期の「社会的ルールの逸脱」と有意な正の相関があり、自己評価が高いほど社会的ルールを逸脱する傾向があることが示唆された。この理由として、小学1年生時点ではまだ学校のルールに慣れていないため、仲間に対する自己評価が高い子どもはルールを気にせずに活発に振る舞っている可能性があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
幼稚園年長児時点と小学1年生時点での自己評価の特徴について、縦断的な検討を行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の研究では、幼児期の対人的自己効力感が児童期の対人的自己効力感と関連することが示唆されたが、児童期の教師への認知、問題行動への幼児期の自己評価の影響は見られなかった。そこで、今後は対人的自己効力感以外の自己評価(学習面、運動面など)についてもデータを収集し、幼児期に形成された自己評価が児童期の発達にどのように影響するか、詳細に分析していく予定である。
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