2022 Fiscal Year Research-status Report
中堅教師の専門性発達と異動の関係:個人の意識,職場環境,研修の3側面からの検討
Project/Area Number |
21K02995
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
東海林 麗香 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (90550749)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 学校異動 / 教師の専門性発達 / 中堅教師 |
Outline of Annual Research Achievements |
公立学校教師に異動はつきものであるが,異動がメンタルヘルスに負の影響を及ぼしうることが指摘されてきた。異動を教師としての専門性発達の機会とするには,どのような「教師の意識」「教師への支援」が必要だろうか。学校においてミドルリーダーの育成が重要課題とされていることから,特に中堅層を対象とした検討は急務である。 本研究ではこのような問題意識からインタビュー調査およびアンケート調査を行い,①教師の異動の経験と専門性発達の関係,②異動を専門性発達の機会として経験するための組織・同僚性,③異動を専門性発達の機会とするための研修・講習プログラム,について検討する。 令和4年度は,①②に関して8名の小・中・高校教師にインタビュー調査を行った。また,105名の小・中・高校教師にアンケート調査を行った。インタビュー,アンケートいずれも,特に②に焦点化した項目で調査を行った。②③については,現職教員を参加者とした学習会を毎月1回の頻度で企画・運営した。この学習会はオープンダイアローグを理論的背景とし,令和3年1月より始めたものである。令和4年度は,4月から2月まで11回実施した。令和4年度8月には,参加者に会の意義や課題,今後の展望についてアンケートを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度は,令和3年度の反省を活かしてインタビューをオンラインでも実施し,データを得ることができた。令和3年度より準備している講習プログラムについても,試行を行う予定であった。しかしながら,感染症の拡大により実施することができなかった。オンライン実施も検討したものの,音声・映像が十分に活用できるようなオンライン環境が整う参加者を募ることが難しく,また対面開催も難しかったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
研修・講習プログラムの作成については,施行実施における参加者の意見のうち,①様々な研修・講習においてモジュール的に活用できる短いプログラムがあるといい,②短いプログラムを3回程度積み上げるかたちのものであると,学習成果を感じられるのでいい,の2点を参考にして修正版を作成した。その後,②については,学校行事や部活動も感染症前の状況に戻りつつあることを鑑みると,複数回の実施は現実的でないとの意見もあった。このことを加味して更なる修正版を作成し,実施する予定である。また,令和4年度に行ったアンケートおよびインタビュー調査については,小・中・高校の教諭のみであったため,特別支援学校の教諭および学校管理職,教育行政経験者にも対象を拡大し,データを追加する予定である。
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Causes of Carryover |
令和4年度は参加した学会の多くがオンライン開催であったため,旅費が予定より少なかった。令和5年度は参加予定合体のほとんどが対面開催であるため,旅費が生じる予定である。 令和5年度は,研修・講習プログラムの施行実施,特別支援学校教諭,学校管理職,教育行政経験者に調査対象を拡大するため,その調査協力謝金,でーかのための費用が生じる予定である。
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