2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K03003
|
Research Institution | Morioka College |
Principal Investigator |
奈田 哲也 盛岡大学, 文学部, 准教授 (20567391)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | やりとり / 主体性 / TEM |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,個の中に生起したネガティブ感情が,やりとりを通した知識獲得を如何に促すのか,その過程を,これまでの研究から明らかになっているポジティブ感情による知識獲得の促し過程と比較しながら,より詳細にしていく。といったように,やりとりの過程で生起した感情が個の知識獲得に如何なる影響を与えるのかを解明していくものであった。さらに言えば,この研究を通して,教育現場における主体的・対話的で深い学びを促すと考えられている方策の実施が上手く機能するようなやりとりのあり方を考えていく。というものであった。 この目的にたち,今回は,保育者と子ども,また,子ども同士のやりとり,と,そのやりとりの経験の結果による様々な変化を捉えていくために,大学の附属幼稚園において4,5歳児の朝の自由活動における子ども達の活動の様子を保育者の対応も含めてビデオで撮影した。より詳細に言えば,春,夏,秋のそれぞれの時期に1週間ほどビデオ撮りした。2023年度においては,この内の1つの子どもの活動に関して,TEM図の作成を行った。TEM図とは,人間の思考や行動,態度,感情の時間的な変化を,その社会的な状況や文化的な文脈も含めて捉えることを可能にするものである。そして,この結果を論文化し,認知・体験過程研究に投稿を行い,「4歳児における自身の意味空間構築の試みの過程-TEMを利用して-」というタイトルで無事に掲載することができた。そして,現在は,このTEM図をベースとし,春のTEM図,夏のTEM図,秋のTEM図というようにTEM図に描き出される内容がどのように変化していっているのか,という長期的な視点に立って分析を行い,保育者や子ども同士のやりとりの過程で,どのような感情が生起し,結果,子どもの主体的な遊びが変化していくのかについてまとめているところである。
|