2021 Fiscal Year Research-status Report
Building a Cyclical Development Model of Practical Knowledge through Generativity
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21K03011
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Research Institution | Tama University |
Principal Investigator |
竹内 一真 多摩大学, グローバルスタディーズ学部, 准教授 (10737571)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 世代継承生 / ライフストーリーインタビュー / 技能の復活 / 社会文化的アプローチ / ビジュアル・ナラティゔ / ナラティヴ・アプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は文献収集と収集したデータ分析を行った。文献収集及びデータ分析は創発に関して取り扱った心理学や経営学に関するもの,陶芸や和菓子といった伝統文化に関するものがある。 初めに,創発に関して取り扱った心理学や経営学に関する文献収集及びデータ分析である。2021年度は心理学に関しては社会文化的アプローチにおける創発を,経営学においては感情と創発をテーマに文献収集を行った。1点目の社会文化的アプローチにおける創発に関してであるが,本研究課題では復活という現象に焦点を当て,共同体に伝わる実践知の継承から創発に至るまでの経緯を明らかにする。そのため,共同体に伝わる実践知の創発に関する先行研究を収集する必要がある。このような観点から,社会文化的アプローチにおける創発研究のデータ収集及びデータ分析を行った。2点目が経営学における感情と創発をテーマにした文献収集である。本研究課題での復活というテーマでは復活を行う当事者が,先行世代の制作物に対する見せ所や想いなどの理解を要求される。このような感情的側面と創発が切り離せないという認識は近年の経営学においても共有されている。そのようなテーマのもと研究されている経営学の領域としてデザイン経営と呼ばれるものであり,2021年度はデザイン経営に関する文献資料を収集するとともに,データ分析を行った。 次に,伝統文化に関する文献収集及びデータ分析に関してである。こちらはインタビューの質問項目の策定時に必要となる知識の獲得に加え, 陶芸と和菓子の復活に関する資料収集を行った。インタビューの質問項目の策定に必要となる知識に関しては陶芸,和菓子の基礎的な技法や作り方,材料に関する文献を分析し,復活に関しては古備前をはじめとして復活を通じて創発へと向かった先行事例の分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの達成度としては「おおむね順調」に研究が遂行されている。研究計画では3年間をかけて和菓子と陶芸に関して復活を行い,初年度は3名のインタビューを行う予定であった。合わせて,3年間かけて文献調査及び分析を行い,社会文的アプローチにおける創造性研究や経営学におけるイノベーション研究をまとめるという方針であった。 2021年度は新型コロナウイルスの影響もあり目標とする人数に対してインタビューが十分できなかった。2021年度は8月から9月にかけてデルタ株の流行がおこり,2022年の1月か3月にかけてオミクロン株の流行がおきた。いずれも調査実施時期として考えていた時期にぶつかった事から,インタビュー調査は限定的にしか行えていない。 しかし,2021年度はインタビュー調査を限定的にしかできていなかった分,文献調査を充実させた。本来,3年という時間をかけて文献の調査を行い,先行研究の分析を行う予定だったものが,昨年1年でかなりの部分収集することができた。経営学,心理学それぞれの観点から知見が深まっている事から,文献収集や文献のデータ分析を3年かけて行う予定だったものを2年に短縮して実施することができるものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策としては二点から深めていきたい。一点目がインタビュー調査の実施と,二点目が2021年度の文献調査を踏まえた論文の執筆である。 一点目がインタビュー調査の実施であった。2021年度は限定的にしか実施することができなかった。その分と合わせて,2022年度はインタビュー調査を行えるように予定を組んでいく。陶芸に関しては研究協力を依頼する調査対象者が九州に4名,和菓子に関しては九州に1名,京都に3名いる事から,九州と関西に焦点を絞り,インタビュー調査を実施していく。ただし,新型コロナウイルス流行に合わせて配慮が必要となることもある事から,実施に際しては研究協力者への意向を伺いながら,また,他府県への移動が自粛されていないかということも見極めながら実施するものとする。 二点目が2021年度の文献調査を踏まえた論文の執筆である。2021年度は創発に関して取り扱った心理学や経営学に関する文献収集及びデータ分析である。心理学に関しては社会文化的アプローチにおける創発を,経営学においては感情と創発をテーマに文献収集を行った。2022年度はこの文献収集及びそのデータ分析の結果を踏まえ論文を執筆する予定である。 新型コロナウイルス等の不確定な要素もある事から,慎重に事態を見極めながら調査を進め,スケジュールに遅延が極力出ないよう研究を遂行していく。
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Causes of Carryover |
2021年度は新型コロナウイルスの影響もありインタビュー調査を限定的にしか行うことができなかった。2022年度にその埋め合わせのため,追加で調査を実施する必要がある事から,次年度使用額が生じた。
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