2022 Fiscal Year Research-status Report
幼児期の数量概念の発達:数量活動と手指の接点に着目して
Project/Area Number |
21K03021
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
浅川 淳司 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (00710906)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 数量活動 / 身体性 / 幼児期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,保育場面での数量環境・活動の内容を観察事例および家庭での数量環境・活動の分類を参考に整理した。家庭での数量環境・活動については,環境設定や子どもの活動に関する因子が明らかにされている。一方で,保育場面での数量環境・活動については体系的な検討は必ずしも多くない。そこで,家庭場面で用いられた分類基準等を援用して,保育場面での数量活環境・活動の整理を試みる。 まず,保育場面での数量環境については,保育者からダイレクトに数量に関する内容が提示される場合と,それらが環境に埋め込まれていてインダイレクトに提示される場合に分かれる。例えば,保育者が数を強調して絵本を読む場合は数量に関する内容が直接提示されていることになる。他方,数量的内容を含む絵本を子どもの手に取りやすいところに置いておく場合は,環境に埋め込まれていることとなる。また,その内容については,フォーマルかインフォーマルかで分けることができる。ここでいうフォーマルとは学校教育で体系的な学ぶ内容のことを指している。保育者が「○+○はいくつかな」ということを子どもに問う場合にはフォーマルとなり,泥団子を作るために砂に水を加えている子どもに,「あとどのくらい水が必要かな」と問う場合はインフォーマルとなる。さらに,数量環境は,数量の領域によっても,数,量,形,割合,比較,分類と分けることができる。したがって,保育場面の数量環境については,ダイレクトvsインダイレクト,フォーマルvsインフォーマル,数量の領域の掛け合わせによって整理することが可能である。これらの枠組みの一部は,幼児の数量活動にも適用可能であり,幼児の数量活動は,フォーマルvsインフォーマル,数量の領域の掛け合わせによって整理することが可能である。 以後の研究では,上記の分類に基づきながら,どのカテゴリーにおいて身体が寄与することになるのか検討していく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
R4年度に所属機関を異動したため,新しいフィールド開拓のために時間を要した。
|
Strategy for Future Research Activity |
協力していただけるフィールドの方々と連携して研究を進めていく。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍で年度前半に出張に行けなかったことが主な理由である。今後は,国際学会への参加を計画している。
|