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2021 Fiscal Year Research-status Report

学習教材における教授アバターの感情的機能の解明

Research Project

Project/Area Number 21K03023
Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

島田 英昭  信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (20467195)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords学習 / アバター / 動画 / 感情
Outline of Annual Research Achievements

eラーニング等の学習教材では、情報伝達目的においては無駄とも思われる「教授者(教師)や教授アバター(教師役の擬人キャラクター)の画像や映像」が添付されることが頻繁にある。本申請は、テキストおよび映像教材における「教授アバター」を対象として、(1)学習時の教授アバターの使用状況、(2)教授アバターの感情的機能(動機づけ、共感)とその学習効果を検討する計画である。
2021年度は、以下の2点を行った。
第一に、アバターを含んだ防災マニュアルを作成し、その評価を行った。モデルとしてある特別支援学校と連携し、保護者を対象とした災害時の「引き渡しマニュアル」を、アバターを用いた動画により作成した。当該学校の保護者がマニュアル閲覧後に評価を行った結果、動画のわかりやすさについては肯定的評価が約94%、アバターの必要性に対しては肯定的評価が約79%であった。以上から、アバターの存在については平均的には肯定的であることが明らかになった。また、大学生が、アバターがある動画とない動画の閲覧後に相対的な評価を行った結果、おもしろさについてはアバターがある動画に対する肯定的評価が約93%であった一方、わかりやすさについては約59%と比較的低かった。また、アバターがある動画閲覧時にアバターを見ていたという回答が約76%であった。以上から、アバターの存在や利用については平均的には肯定的であることが明らかになったが、アバターが内容理解を阻害している可能性も考慮する必要があると考えられる。
第二に、2022年度以降の実験実施に向けた材料作成と資料収集を行った。材料作成については、実験で使うことが可能なアバターの画像や動画を作成した。資料収集については、上記の画像や動画を作るための技術的な情報収集の他、近年急激に普及しているメタバース等のサービスについて調査した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

計画では2021-2022年度に教授アバターを含む教材の評価を行うことになっている。研究実績の概要に述べた通り、実験的検証を行い、一定の結果を得ている。また、2022年度実施の実験に向けた準備も順調に進んでいる。以上から、おおむね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

当初は代表者がこれまでに行ってきた「教授者映像」の効果を検討した方法と同様の実験手続きを用いる予定であったが、当初計画の実験手法にこだわるよりも、「研究実績の概要」に述べたようなより簡便な手法の方が、効率的に研究を進められるのではないかと考えている。そのため、当初予定の手法を一部変更しながら、当初予定の研究目的である、教授アバターに注意が向けられているか、教授アバターを含んだテキスト・映像教材を学習者は選択するかという問題を明らかにしていく予定である。
また、アバターの表現方法がメタバースの流行と共に多様化しているので、実験的検証として特定のアバター表現を用いながらも、さまざまなアバター表現に知見が一般化可能であるかを、時にはアバター表現間の比較をしながら明らかにする必要があると考えている。一般に利用できる技術的な進展を追いながら、研究方法・研究内容を選択していく予定である。
なお、2023年度に実施予定であった感情的機能の解明についても2021年度に一部準備が進んでいるため、先取りして研究を進める可能性もある。

Causes of Carryover

最も大きな原因として、新型コロナウイルス感染症対策により出張旅費を使用することがなかったため、次年度使用額が生じた。この経費については、次年度以降に出張が可能になると見込んでいるため、旅費として使用する。
加えて、データ解析・動画作成等に必要な機材が既存もので可能であったこと、また当初計画していたデータ収集の外注が内製で可能であったことから、次年度使用額が生じた。これらは、アバターやメタバースの技術的進展に合わせて必要となる機材やサービスを購入することに使用する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022 Other

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Remarks (2 results)

  • [Journal Article] ICT時代の大学授業―教育心理学に基づく理論と実践―2022

    • Author(s)
      島田英昭
    • Journal Title

      知能と情報(日本知能情報ファジィ学会誌)

      Volume: 34 Pages: -

    • Open Access
  • [Remarks] 島田英昭のページ

    • URL

      https://shimadahideaki.jp/

  • [Remarks] 信州大学研究者総覧

    • URL

      https://soar-rd.shinshu-u.ac.jp/profile/ja.WmkNjhkh.html

URL: 

Published: 2022-12-28  

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