2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K03023
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
島田 英昭 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (20467195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三和 秀平 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (70824952)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 学習 / アバター / エージェント / 動画 / 感情 |
Outline of Annual Research Achievements |
eラーニング等の学習教材では、情報伝達目的においては無駄とも思われる「教授者(教師)や教授アバター/エージェント(教師役の擬人キャラクター)の画像や映像」が添付されることが頻繁にある。本研究は、テキストおよび映像教材における「教授アバター/エージェント」を対象として、教授アバターの感情的機能(動機づけ、共感)を検討する計画である。 2023年度は、以下の3点を行った。 第一に、2022年度に実施した研究成果の報告を第5回テクニカルコミュニケーション・リデザイン学術研究会において行った。アバター/エージェントを含んだ対話を観察する状況において、観察の視点を上、横、後方(一方の話者の後方から)、目線(一方の話者の目線から)の4条件設定し、全般的に上の評価が低く、目線の評価が高いことを明らかにした。 第二に、教材を2秒間提示してその印象を求める手法を用いて、教授アバター/エージェントが無い場合、写真の場合、イラストの場合を比較した。その結果、動機づけ、主観的わかりやすさともに無い場合よりも写真、イラストの方が高評価であるが、写真とイラストの違いはそれほどないことを明らかにした。本研究結果は、2024年度に学会発表予定である。 第三に、関連研究をいくつか行った。日本教育心理学会第65回総会においては、教授者(教師)や教授アバター/エージェントに関する一連の研究を、大学授業における実践と関連させて報告を行った。また、教授アバター/エージェントを含めて、ICT活用に関する教育心理学的研究の動向をまとめ、教育心理学年報誌に掲載予定である。加えて、教授アバター/エージェントが動物の場合と人間の場合を比較した研究、教授アバター/エージェントの有無と解説音声の速さを操作した研究をそれぞれ実施し、2024年度に学会発表予定である。さらに、メタバースにおけるアバター利用について研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の報告書において「今後の研究の推進方策」で述べたとおり、本研究の一つめの計画である教授アバター/エージェントの利用実態については、当初とは異なる方法ではあるが、教授アバター/エージェントに注意が向けられているか、教授アバター/エージェントを含んだテキスト・映像教材を学習者は選択するかという問題を明らかにすることができた。本研究の二つめの計画である感情的機能の解明については、同様に「今後の研究の推進方策」で述べたとおり、オンライン実験環境を構築し、実験を効率化することができた。これにより、動機づけ部分については十分に達成し、かつ、様々な条件で実験を効率的に行うことができ、想定以上の成果を得ることができた。以上から、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の報告書において述べたとおり、実験的検証として特定のアバター/エージェント表現を用いながらも、さまざまなアバター/エージェント表現に知見が一般化可能であるかを、時にはアバター/エージェント表現間の比較をしながら明らかにする必要があると考えている。また、感情的機能の評価方法を多様にする必要があると考えている。この方針の中で、2023年度までにさまざまな実験状況を設定して知見を蓄積することができた。また、オンライン実験環境を構築し、実験を効率化することができた。2024年度はこの方針を継続し、オンライン実験を中心に、さまざまな実験状況を設定して知見を蓄積する予定である。 なお、当初の計画では理解度テストを含めた検討を行う予定であったが、アバター/エージェント表現および感情的機能の評価方法が当初の想定以上に多様であるため、感情的機能の解明を中心に進める方が建設的であると判断した。そのため、理解度テストを含めた研究については努力目標として、感情的機能の解明を中心に進める。
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Causes of Carryover |
最も大きな原因として、新型コロナウイルス感染症対策により出張旅費を使用することがなかったため、次年度使用額が生じた。この経費については、2023年度より出張が可能になったため、旅費として使用する。 加えて、データ解析・動画作成等に必要な機材が既存もので可能であったことから、次年度使用額が生じた。この経費については、アバター/エージェントの技術的進展に合わせて必要となる機材やサービスを購入することに使用する。 さらに、当初計画していたデータ収集の外注が内製で可能であったことから、次年度使用額が生じた。この経費については、2023年度より導入したオンライン実験に使用する。
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