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2022 Fiscal Year Research-status Report

Basic research to identify factors adjusting the effects of interleaved practice

Research Project

Project/Area Number 21K03028
Research InstitutionUniversity of Miyazaki

Principal Investigator

尾之上 高哉  宮崎大学, 教育学部, 准教授 (30631775)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords交互練習 / ブロック練習
Outline of Annual Research Achievements

2021年度には、本研究課題「交互練習の効果を調整する要因を特定する基礎研究」に着手する前段階として、「交互練習にどのような効果が期待されるのか」という点と、「そもそも、交互練習の対概念であるブロック練習にどのような弱点があるのか」という点についての検証を行った。
2022年度には、次の2点に取り組んだ。
1点目として、2021年度に検証した問題のうち「ブロック練習の弱点」について、その検証結果を第3者が共有できるようにするための論文化の作業に取り組んだ。論文化の作業においては、まず、「ブロック練習の弱点」が、これまでの先行研究で議論されてきた学習上の問題とどのように関係しているのかについて、その共通点と差異を明確に整理した。その上で、今回の研究結果と先行研究をもとに、「ブロック練習をどのように捉えたら良いのか」という点や、「現状の実践をどうしたら良いのか」という点についての議論を明確に行うようにした。
2点目として、「交互練習の効果を調整する要因」として何に着目するかを検討するために、成長マインドセットという概念に注目し、その概念が学習効果に及ぼす影響を検討する研究に取り組んだ。今年度はまず、中学生を対象として、成長マインドセットを測定するための質問紙調査を実施し、その調査結果と、テストの成績との関連を分析した。その結果、成長マインドセットとテスト成績との間には有意な正の相関があることが確認された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在までの進捗状況については、下記の2つの理由を踏まえて、「おおむね順調に進展している」と評価している。
1点目の理由は、交互練習と対になる学習法である「ブロック練習」をより精緻に理解するための研究結果を提示できた、という点である。具体的には、ブロック練習には、学習者が、「問題の種類を見分けて、必要な方略を想起し、選択する」ことなく、「既に意識下にある方略を問題に適用するだけ」になる、という弱点が潜在する可能性があることを示す結果を提示できた。従来の研究は、「学習内容の定着度」という観点から交互練習に注目してきたが、本研究によって、「練習問題の単純作業化を防ぐ」という観点からも交互練習に注目する理由ができたといえる。
2点目の理由は、「交互練習の効果を調整する要因」として何に着目するかという点に関して、成長マインドセットという概念に着目することが有望である可能性を示唆する結果を得ることができたという点にある。
当初の計画では、1、2年目は、本研究課題「交互練習の効果を調整する要因を特定する基礎研究」に関する問いについて、大学生を対象とした実験室研究をそれぞれ実施する予定であった。その点の検討は未だできていないものの、代わりに、交互練習という概念に着目し詳細な検討を実施する必要性をより明確にでき、また、交互練習の効果を調整する要因として何に注目すべきかについての基礎資料を得ることができたため、現在までの進捗状況は「おおむね順調に進展している」と評価した。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の推進方策について述べる。
3年目になる今年度は、まず、1年目と2年目に実施した研究の結果をそれぞれ論文にまとめて発表し、第3者が研究結果を共有可能な状態にすることを目標にする。1年目に実施した研究をまとめた論文については、現在、査読を受けている状況にある。複数の査読コメントをもらっているので、それらのコメントをもとに論文の修正を行い、より良い論文として出版できるようにする。2年目に実施した研究をまとめた論文については、現在までにデータ分析は終了している。これから、先行研究との接続を図りながら、論文としてまとめていく予定である。こちらもできるだけ早い時期に査読を受けられるように準備を進めていきたい。
それらの2本の論文の出版を目指しながら、今年度中に(3年目中に)、本研究課題「交互練習の効果を調整する要因を特定する基礎研究」に対して、どのようにアプローチするのが良いかを確定させるために、最新の研究のレビューを行う予定である。本研究課題の申請時から約3年が経過する時期にあたるため、申請時よりもこの領域の研究が大きく進展していると考えられる。従って、まずは現在までの研究状況を再度整理し、学術的にも社会的にも意義のある問いを立てて、研究の計画を作成することを3年目の目標とする。そして、4年目にその研究計画を実行し、本研究課題「交互練習の効果を調整する要因を特定する基礎研究」についての説得力ある結論を導くことを目標にする。

Causes of Carryover

まず、次年度使用額が生じた理由を述べる。当初の計画では、本研究課題「交互練習の効果を調整する要因を特定する基礎研究」に関する問いについて、大学生を対象とした実験室研究を実施する予定であった。だが、その研究を実施する前に、交互練習の対になる概念である「ブロック練習」について精緻に理解するための研究と、交互練習の効果を調整する要因として何に着目するかに関する基礎的資料を得るための研究を実施する方が良いと考え、それぞれの研究を実施した。その関係で、予定していた実験室研究に必要な備品等の多くは購入しなかった。そのため、次年度使用額が生じている。次に、次年度使用額の使用計画について述べる。当初の計画で実施する予定であった実験室研究は、現在のところ4年目に実施する予定である。その計画を3年目に作成することを目標にしているので、その計画が出来次第、実験を進める上で必要な備品等の購入費用として使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] 困難に直面している人への言葉かけに関する基礎的研究2022

    • Author(s)
      尾之上 高哉, 井口 豊
    • Journal Title

      日本教育工学会論文誌

      Volume: 46 Pages: 193-196

    • DOI

      10.15077/jjet.S46095

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2023-12-25  

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