2023 Fiscal Year Annual Research Report
潜在的なトラウマ体験を持つ親に対するTICを応用した支援プログラムの開発
Project/Area Number |
21K03044
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
板倉 憲政 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (20708383)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
狐塚 貴博 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (00739526)
森川 夏乃 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (70757252)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 小児期逆境体験 / ペアレントトレーニング / 養育スタイル |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度では,保護者のACEがペアレントトレーニングの効果に与える影響について検討を行った。調査対象は,エールぎふで開催されたペアレントトレーニング(幼児期コース,学童期基礎コース,学童期応用コース)に全てのプログラムに参加した4歳から13歳の子どもを持つ母親・父親計22名(平均年齢:42.17歳)を対象とした。ACE高群の保護者と低群の保護者の間を比較して,ペアレントトレーニングの効果に違いが見られるのかについて検討した結果,ACE高群の保護者は,低群の保護者と比較して,子どもへの「肯定的働きかけ」が少なくなり,「叱責」を行いやすい可能性が示された。ACE高群の保護者は,低群の保護者と比較して,ペアレントトレーニングを実施しても子どもへの「相談・つきそいが」がスムーズに行えない可能性や,「対応の難しさ」が減少しにくい可能性が示唆された。以上のことから,ACE高群の保護者は,子どもへの「肯定的働きかけ」や「相談・つきそい」を行うことを苦手としている可能性も否定できない。さらには,子どもへの「対応の難しさ」を抱えやすく,「叱責」を用いてしまうことが推察される。ペアレントトレーニングを続けていく中で,子どもの対応の難しさを感じる場合には,ペアレントトレーニングと併用して保護者のACEを想定した支援を取り入れる必要がある。今後は,研究協力者を増やして研究を継続していくことが求められる。
|