2023 Fiscal Year Annual Research Report
認知症原因疾患ごとの認知機能低下の経年変化に関する研究
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21K03046
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
小山 明日香 熊本学園大学, 社会福祉学部, 准教授 (50710670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 正輝 甲南女子大学, 人間科学部, 講師 (30615935)
石川 智久 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (60419512)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知症 / アルツハイマー型認知症 / 認知機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、主に以下の2つの研究を実施した。 1つは、認知症の原因疾患として代表的なアルツハイマー型認知症(AD)とレビー小体型認知症(DLB)の患者の認知機能低下の特徴を明らかにするために、AD59名、DLB12名の初診時、1年後、2年後、3年後の認知機能検査得点の推移を比較した。その結果、初診時の認知機能に関してはDLB患者のほうがAD患者よりも全体的に多少得点が低かったが、ADでは4年間の間に一定の低下が認められ、DLBでは低下があまり目立たず、検査によってはむしろ得点が上昇するという特徴が認められた。 2つ目は、AD患者のうち3年後のCDRが不変であった18名(維持群)と、変化が見られた38名(進行群)について、初診時の各種認知機能検査の得点とその後の得点の経時的変化を比較した。その結果、初診時の維持群と進行群のMMSE得点はそれぞれ22.9点、23.0点で有意差はなく、WMS-R、FABでも有意差はなかった。しかし、ADAS-Jcog.ではそれぞれ10.1点、14.2点で有意差があり、また時計描画テスト(CDT)でそれぞれ9.2点、8.1点で有意差があった。その後の経時的変化では、MMSEとADAS-Jcog.で両群間で得点変化に有意差があったが、それ以外の検査では有意差はなかった。本結果より、軽度アルツハイマー型認知症患者のうち、MMSE得点に比してADAS-Jcog.やCDTの得点が低い者に関しては、その後進行しやすい可能性が示唆された。本研究より、初診時のMMSEが比較的維持されている場合でも、より詳細な検査を実施することを検討する必要性が示唆された。 本研究成果については、次年度以降に学会や専門誌にて公表予定である。
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[Presentation] 地域在住高齢者における脳脊髄液体積変化と認知機能障害との関連:熊本県荒尾市研究2023
Author(s)
日髙洋介, 橋本衛, 末廣聖, 福原竜治, 石川智久, 津野田尚子, 小山明日香, 本田和揮, 宮川雄介, 吉浦和宏, 朴秀賢, 石井一成, 池田学, 竹林実
Organizer
第119回日本精神神経学会
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[Presentation] 地域在住高齢者におけるDESH関連領域CSF体積の加齢性変化-熊本県荒尾市研究2023
Author(s)
日高洋介, 橋本衛, 末廣聖, 福原竜治, 石川智久, 津野田尚子, 小山明日香, 本田和揮, 宮川雄介, 吉浦和宏,,朴秀賢, 石井一成, 池田学, 竹林実
Organizer
第24回日本正常圧水頭症学会