2021 Fiscal Year Research-status Report
内因性ドパミンの賦活によるパーキンソン病の治療効果を予測する神経心理学的背景
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21K03075
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
村上 秀友 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60384476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大本 周作 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30773410)
梅原 淳 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70649491)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / ドパミン / 前頭葉機能 / 遂行機能 / パーキンソニズム / 行動促進系 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度に、1) Parkinson病(PD)患者に対するMAO-B阻害薬の単剤投与による運動症状の改善率と各種の認知機能検査の成績との関連性、2) PD患者の行動抑制系/促進系と関連する臨床症状、について検討した。 1)では未投薬のPD患者にMAO-B阻害薬単剤(M群;27例)または非MAO-B阻害薬(NM群;14例)で治療を開始し、症状と薬剤の用量が安定した時期に運動症状(MDS-UPDRS part III)を評価した。両群で運動症状の改善率と認知機能の各スコアとの関連性をSpearmanの相関係数で比較した。その結果、M群でのみ運動症状の改善率とFABとの有意な相関 (r=0.631、p<0.001)がみられ、重回帰分析ではFABが運動症状の改善率と有意な関連(β=0.444、p=0.027)を示した。良好な前頭葉機能がMAO-B阻害薬による運動症状の大きな改善を予測し、内因性ドパミンの活性の高さを示唆していると考えられる。本検討結果について2022年5月の日本神経学会学術大会で発表し、論文投稿を予定している。 2)では28例の未投薬のPD患者に行動抑制/促進系質問票(BIS/BAS questionnaire)と各種の臨床症状の評価を行った。その結果、BISは認知機能(Mini Mental State Examination; r=0.505、p=0.006)と、BASはパーキンソニズム(MDS-UPDRS part III; r=-0.467、p=0.012)や線条体のドパミンニューロンの変性(123I-Ioflupane SPECTの左線条体についてのSBR; r=0.398、p=0.040)と関連していた。これらのことから行動促進系がドパミン作動性であるとの知見が得られた。本検討結果について2022年4月のAmerican Academy of Neurology Annual Meetingで発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の蔓延のため、急を要しない疾患の患者の病院受診や入院精査が控えられた影響で本研究の対象となるパーキンソン病患者の確保が困難となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
ドパミンが関与している神経心理機能には辺縁系が司る感情や情動などの機能も存在する。そのため、今後はこれらの機能や体液などのバイオマーカーにも注目して検討を進める予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、本来の医療活動が制限された結果、対象患者数が少なくとどまったため、各種検査の実施が困難になったため。
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