2023 Fiscal Year Research-status Report
対人関係における援助の要請と援助の提供のバランスを形成するメカニズムの検討
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21K03076
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
永井 智 立正大学, 心理学部, 教授 (20513170)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 援助要請 / 援助行動 / メンタルヘルスファーストエイド / メンタルヘルスリテラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、援助の提供と援助の受領のバランスの背景にあるメカニズムを解明することであった。従来、援助行動と援助要請行動はそれぞれ異なる文脈で研究が発展している。それぞれの領域ででは、援助を行うこと、援助を求めることの重要性が強調されているが、時に援助を求め、時に援助を提供できることこそが適応的な在り方につながると考えられる。そこで本研究では、援助の提供・援助の要請それぞれに共通する要因の抽出および両者のバランスを成立させる要因を明らかにすることを目的とする。 本年度は、援助要請行動やメンタルヘルスリテラシー研究の知見に基づき、援助要請行動を促進させるための援助行動について検討した。具体的には、成人を対象にうつ病経験時に友人からどのような援助・アドバイスを受けることで専門家への援助要請意図が高まるのかを検討した。ヴィネットを用いた調査の結果、援助要請を勧めるアドバイスの際は、うつ病の可能性について伝えることで、専門家への援助要請意図が高まる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初と研究実施の順番を変更し、一部の研究内容を先送りしたが、逆に研究レビューなど別の研究を先取りしており、全体としてはおおむね順調通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
全体としては概ね順調なペースで研究は進行しており、引き続き予定通り研究を遂行していく。
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Causes of Carryover |
研究の実施順番を変更し、一昨年度の研究内容は文献展望を中心としたため、費用が当初より少ない金額に収まっている。全体の研究実施状況自体は順調であり、今後予定通りの執行を行う予定である。
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