2021 Fiscal Year Research-status Report
Developmental and longitudinal study of rule-governed behavior on human behaviors
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21K03079
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
谷 晋二 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (20368426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂本 由紀 京都文教大学, 臨床心理学部, 講師 (60823242)
井上 和哉 早稲田大学, 人間科学学術院, 助教 (60880383)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ルール支配行動 / 質問紙の開発 / IRAP / 関係フレーム理論 / ACT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的の1つは,ルール支配行動の発達的変化を調査することである。そのためにルール支配行動に関する質問紙を作成する。もう1つは,ルールの機能を実験的に検討することである。2021年度では,質問紙(General Pliance Questionnaire,GPQ)とGeneral Tracking Questionnaire,GTQ)を開発するための準備としてASCQ(Attachment Style Classification Questionnaire)の日本語版の作成のためのデータ収集を行った。ルールの機能を実験的に検討するために,IRAP(Implicit Relational Assessment Procedure)と呼ばれるコンピュータプログラムを用いた実験的研究を行った。この実験では,実験参加者の名前と「私」という単語の持つ刺激機能の違いが検討された。実験参加者の名前は「私」という単語に比べて大きな単一試行タイプ優勢効果(Single Trial Type Dominance Effect; STTDE)を示すことが明らかとなった。この結果は自己概念に関係するルールの持つ刺激機能にの実験研究で刺激選択をする際の重要な示唆となり,参加者の名前が大きな影響をすることが推測された。これは英語圏での実験研究と異なっているデータであり,日本語の持つ特有の機能であることが推測された。 研究グループは定期的な研究会(CBS研究会)を実施した。研究グループ以外の研究者も参加しルール支配行動に関する研究のレビューと課題について学習した。国際学会(ACBS)において,日本人の参加者を対象としたIRAP研究のシンポジウムを行い,各国の研究者との情報交流を行った。また,国内学会(ACT Japan年次大会)では,関係フレーム理論の基礎と応用に関するワークショップをおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ASCQのデータ収集がやや遅れている。現在70%のデータ収集率であり,不足データを現在集めている。データ募集範囲を広げる必要があると考えられる。実験的研究については予定通り進行し,現在2つ目の実験研究がスタートしている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,ASCQの不足データを集め,それをもとにGPQとGTQの日本語版作成のためのデータ収集を行う予定である。2022年9月までにこのデータ収集を終え,2023年の国際学会ACBSで他の国で集められたデータとの比較を行うシンポジウムを実施する(2023年3月にエントリーの予定)。実験的研究では,自己概念に関するルールの持つ機能を明らかにする実験を行う(2022年9月)。実験の結果は国際学会ACBSで発表を行う。 CBS研究会は月に1回継続して実施し,研究成果を他の研究者と共有していく。また,一般向けの講演会を実施し,ルール支配行動についての情報共有を行う。
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Causes of Carryover |
発表予定の国際学会が,オンライン開催となり,旅費を使わなかったこと,収集予定のデータが約100件収集できなかったために謝礼が10万円繰り越すこととなったために,次年度使用額が生じた。本年度は対面での国際学会が予定されており,また今年度に不足データを収集するため,繰越分は,本年度に執行する予定である。
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