2021 Fiscal Year Research-status Report
慢性疼痛に特異的な医療不信の介入阻害効果の検証と改善のための調査・介入研究
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21K03090
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
義田 俊之 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 講師 (60585933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細井 昌子 九州大学, 大学病院, 講師 (80380400)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 医療不信 / 質問紙 / ヘルスケアサービス |
Outline of Annual Research Achievements |
「medical distrust」および「medical trust」をキーワードとして,英語の質問紙を検索し,文献レビューを行った。 医療不信については,民族や人種差別に基づく医療不信をテーマにした質問紙が開発されていた。得点分布に関しては,「不信」について尋ねると正規分布に近かった。 自分個人が抱く不信の他に,人種など自分を含むある集団が抱く不信を測定する質問紙も開発されていた。不信の対象として,主治医の他,ヘルスケアシステムも想定されていた。医療に対する不信のために,ヘルスケアサービスにアクセスしないことが問題視されていた。しかし,医療に対する不信を持つ患者が,ヘルスケアサービスを訪れた際にどのような問題を呈するのかは扱われていなかった。 医療への信頼については,乳がんなど,特定の疾患を持つ患者が回答する質問紙が複数開発されていた。得点分布に関しては,どの尺度であれ,医療職への信頼を問うものは,平均点が8割前後となり,天井効果が見られた。研究者は,信頼に関して,医療職の知識や技能に関する次元と,人間関係に関する次元など多次元モデルを想定する。しかしながら,因子分析を行うと,どんな疾患の患者であっても,研究者が想定する多次元モデルは支持されず,一次元となっていた。妥当性を検証するには,患者満足度,その医師を知り合いに勧める程度,医師変更の意向との相関が検証されやすかった。 痛みが問題になる患者を対象とした医療不信の質問紙は開発されていなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍のために,フィールドとなる病院に入ることが困難な時期が続いた。
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Strategy for Future Research Activity |
現に受診した,痛みを持つ患者を対象に,痛みの症状や,それに伴う生活障害の治療について,主治医やふだん接する医療職が持つ知識や技能に関する質問と,治療関係に関する質問とを入れた質問項目群を作成する。項目群には「信頼」について尋ねるものだけでなく,「不信」について尋ねるものも含める。このようにして作成された医療不信の質問項目群と,妥当性を検証するための質問紙(治療同盟,痛みの症状,生活障害などをアセスメントするもの)とを,患者群に対して,治療開始前に回答を依頼する。回答が一定数蓄積された後に,因子分析を行い,医療不信の構造を明らかにするとともに,それが患者のどのような特徴と関連するのかを検証する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のためにフィールドとなる病院へのアクセスが困難になった。感染対策に留意しながら調査を進める。調査を実施して協力者への謝金として使用するとともに,学会発表を行って使用する計画である。
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Research Products
(3 results)