2023 Fiscal Year Research-status Report
認知症の人の家族介護者を対象とした集団CBT・ACTプログラムの効果
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21K03094
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
森本 浩志 明治学院大学, 心理学部, 教授 (20644652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 崇 同志社大学, 心理学部, 教授 (50340477)
野村 信威 明治学院大学, 心理学部, 教授 (90411719)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 認知症 / 家族介護者 / 認知行動療法 / アクセプタンス&コミットメント・セラピー |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は家族介護者を対象としたプログラム(1回90分、全8回、クローズドの小集団形式)を、夏クール(6月~9月)と冬クール(12月~3月)の2回、対面参加とオンライン参加の双方を可能としたハイブリッド形式で実施した。参加者募集は、地域のコミュニティ情報誌と医療機関、家族会を通して4月と5月および10月と11月に行った。その結果、夏クールは2名(どちらも女性)、冬クールは2名(男性1名と女性1名)の参加があった。プログラムの効果測定のために、プログラム開始前のPre測定と終了直後のPost測定、終了半年後のFollow-up測定の3時点で、抑うつ・不安、介護負担感、介護の肯定的側面の認知などを測定する複数の心理尺度への回答を参加者に求めた。夏クールは3時点全ての測定が完了している。冬クールはPre測定とPost測定が完了しており、2024年9月にFollow-up測定を行う予定である。Post測定の一環として行ったアンケートでは、両クールとも概ねプログラムに対する肯定的な意見が見られた。 一方で、認知症の人を対象としたプログラムについては、プログラムを担当する研究分担者(野村)がイギリスで在外研究を行ったこと、および帰国後のプログラムの参加者募集において選定基準を満たした者が現れなかったことなどから、2023年度は実施しなかった。家族介護者を対象としたプログラムの参加者に認知症の人のプログラムを紹介した際の反応から、プログラム参加が困難な理由として、認知症の進行による認知機能の低下からプログラム参加が困難であることの他にも、一定以上の認知機能は維持されているものの、本人が認知症という診断を受け入れられておらず、介護サービス等の利用に拒否的であるため、プログラムの紹介が困難である等の理由もあることが考えられた。認知症の診断の受容の困難性はこれまでも指摘されていることであるため、診断の受容についての心理支援も必要であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19の5類感染症への移行もあり、2022年度以前と比べるとプログラムの問い合わせ等は増えており、安定してプログラムが実施できるようになった。しかしながら、依然として当初予定していた人数の参加者が得られていないことが課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では2024年度はデータ解析を行う予定であったが、当初予定していた人数の参加者が得られていない。このため、2024年度も引き続きプログラムを実施して、データ収集を行う。
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Causes of Carryover |
当初予定よりも研究参加者が少なかったことに伴う研究参加者への書類送付に係る通信費および謝礼の執行額の減少、学会年次大会のオンライン開催等による旅費の執行額の減少などにより、次年度使用額が生じた。 2024年度は研究参加者募集に係る広告費、研究参加者への謝礼、研究参加者への書類の送付に係る通信費に使用する予定である。
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