2022 Fiscal Year Research-status Report
介護職員の職場での人間関係改善プログラムの開発と評価
Project/Area Number |
21K03106
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
竹田 伸也 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00441569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福崎 俊貴 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80838764)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 介護職 / 職場の人間関係 / 尺度開発 / 信頼性 / 妥当性 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、高齢者介護事業所に勤務する介護職が経験する職場の人間関係の問題を定量的にアセスメントする尺度(以下、本尺度)を開発した。本尺度は、COSMINガイドラインに基づき作成した。 まず、昨年度の我々の研究によって明らかとなった介護職の職場の人間関係の問題6因子と、これまでの先行研究をもとに、介護職が抱えやすい職場の人間関係の問題について、質問項目の作成を行った。次に、高齢者介護事業所に勤める介護職員を対象とし、本尺度の信頼性と妥当性を検討した。信頼性はCronbachのα係数、測定標準誤差、クラス内相関係数に基づいて評価した。妥当性の評価として、内容的妥当性、構成概念妥当性、構造的妥当性を検討した。内容的妥当性については、Content Validity Index(CVI)を算出した。構成概念妥当性については、6つの仮説に基づき、既存の尺度とのピアソンの相関係数を算出した。構造的妥当性については、確認的因子分析を実施し6つの因子構造の適合度を算出した。その結果、本尺度の総得点と下位尺度得点ともにCronbachのα係数は高い値を示し、再検査信頼性も高かった。内容的妥当性は、本尺度の全項目で高いI-CVIを示し、構成概念妥当性を検証するための仮説もすべて支持された。また、確認的因子分析では、仮説の6因子構成に適合することが示された。 以上より、本尺度は満足のいく信頼性と十分な妥当性を有する尺度であることが示された。高齢者人口が世界的に増えるなか、介護職に様々な影響を与える職場の人間関係の問題を定量的に評価するための尺度として、本尺度の活用が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画では、昨年度の研究成果に基づき、高齢者介護事業所に勤める介護職を対象として、職場の人間関係の問題を評価する尺度を開発し、その信頼性と妥当性を検討することを主な目的としていた。所期の研究計画通りに進捗しているので、上記評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、介護職の職場の人間関係の問題を解決するために求められるスキルを習得するプログラムを開発し、その有効性について検証する。まず、これまでの研究によって明らかとなった介護職の職場の人間関係の問題を示す6つのカテゴリーをもとにプログラムを作成し、そのオンデマンド教材化を主な目的として研究を進める。 プログラムが完成次第、高齢者介護事業所に勤める介護職を対象にプログラムの有効性についての検証作業を進める。有効性の検証作業では、プログラムを実施する介入群と実施しない対照群にわけた群間比較研究を行う。 結果から影響効率の低いカテゴリーを中心にプログラムの修正を図り、介護職員にとってより有効性と実行可能性の高いプログラムの完成を目指す。
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