人工知能を用いた心理療法の質を客観的に評価するツールの開発

2023 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 21K03113
• Research Institution: Waseda University
• Principal Investigator: 橋本 塁 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授(任期付) (90799149)
• Project Period (FY): 2021-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 心理療法 / Fidelity / 自然言語処理

Outline of Annual Research Achievements

これまでの研究において、支援効果のエビデンスが示されている心理療法においては、その治療的効果が担保されるためには、実際にその支援を行う個人それぞれが心理療法の治療原則へのFidelity（忠実性）を確認、促進することが必要であるとされる。ただし、Fidelityを正確に評価、確認をするには、膨大な人的、時間的、経済的コストがかかることが課題として挙げられ、実際の臨床実践において、現状の方法でFidelityを定期的に評価、確認することは困難である。そこで本研究課題では、自然言語処理や機械学習といった人工知能の技術を用いて、心理療法における治療者、患者それぞれの発話を自動でコーディングすることでFidelityを評価するためのモデルの開発と、精度の検証を行うことを目的としている。
研究実績として、モデル開発において利用する自然言語処理および機械学習の方法について、論文および関連書籍を収集し、最新知見の動向についてレビューを行った。また、モデルを開発することを目的とした面接データ（面接者側および被面接者側の発話データ）の収集を行い、発話データの蓄積を行った。また、収集された発話データのコーディングを実施した。研究期間終了時点において、実際の収集データを用いて、発話のコーディングを予測するためのモデル開発を実施しているところである。モデル開発が実行でき次第、精度の検証を順次行っていく予定である。