2022 Fiscal Year Research-status Report
自画撮り被害における児童の送信行動に影響を与える要因と被害予防教育の指標の検討
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21K03118
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
櫻井 鼓 追手門学院大学, 心理学部, 准教授 (70846295)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自画撮り被害 / 性的グルーミング / 性被害 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度はウェブ調査会社に委託して、若年成人を対象とし、児童期の自画撮り画像送信掲載行動の実態や要因を明らかにするための調査を行った。そこで、2022年度は、2021年度調査の成果発表と、今後の学校現場で、児童生徒の性被害防止のための指導に生かす視座を得ることを目的とし、教員対象のアンケート調査を実施した。 2021年度調査の成果については、日本トラウマティック・ストレス学会における口頭発表や、全国規模の研修会等における講演を行い、広く周知した。 教員対象の調査については、私立中学校・高等学校の養護教諭を対象とした、ウェブによるアンケート調査を実施した。質問項目は、①自画撮り画像送信を含む児童生徒のネットを介した性被害問題等について、児童生徒本人・保護者・教諭等から相談を受けたり、対応したりした経験の有無とその件数、②児童生徒の性被害問題で、対応が困難だと感じられた事例について、その概要及び困難だと感じられた点、③児童生徒からの相談への対応を困難と感じられるときの相談相手、④児童生徒の性被害を防止するために望ましいと思われる対策、であった。この調査では十分な人数のデータが収集できなかったため、可能な範囲で分析を行った。その結果、養護教諭は、従来型の非行問題よりも、ネットを介したトラブルに関する相談を受ける傾向にあること、性被害に関する相談の中では、自画撮り画像送信に関する相談を多く受ける傾向にあることが明らかになった。また、児童生徒の性被害を防止するための教材開発や教員の研修機会も必要であることが考察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の養護教諭を対象とした調査では、十分な人数の調査協力者を確保することができなかったため、統計解析を行うことができず、傾向を把握するにとどまった。2023年度には、自画撮り画像送信の要因に関するさらなる調査を予定しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度調査のデータを分析した結果、自画撮り画像送信を防止するためには、画像を送信させるよう持ち掛ける加害者側のグルーミングの手口や、送信行動を事前に防止させるような児童側の要因を、より詳細に検討していくことが必要だと考えられた。そこで2023年度は、これらの内容に焦点を当てたウェブ調査を実施し、結果分析を行うことを予定している。
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Causes of Carryover |
2022年度の調査は、教員を対象としたウェブ調査であり、調査実施自体に経費がかからなかったために、その分を次年度に使用することにした。2023年度は、調査会社に委託するなどしたウェブ調査実施を計画しているため、打ち合わせに伴う費用や、調査委託費、学会発表等の結果発表に伴う費用に充てる。
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Remarks |
2022年度は、次の研修会で成果発表を行った。 伊勢原市教育委員会主催令和4年度学校別教育課題育研修講座、公益社団法人全国被害者支援ネットワーク・日本被害者学会・公益財団法人犯罪被害救援基金・警察庁主催全国犯罪被害者支援フォーラム2022、東京私立学校保健研究会主催2022年度研修会、兵庫県警察本部主催少年健全育成研究会、三重県臨床心理士会主催全体研修会、伊勢原市学校保健会主催講演会
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Research Products
(2 results)