2022 Fiscal Year Research-status Report
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21K03134
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
今野 晃嗣 帝京科学大学, 生命環境学部, 講師 (00723561)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イヌ / 探索行動 / 臭気探知犬 / コミュニケーション / 性格 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,臭気探索犬の嗅覚に基づく探索行動の特徴を実験的手法に基づいて評価することを目的とする。本年度(2022年度)は,薬物探索犬の探索行動の個体による特徴を抽出するためのフィールド実験のデータを収集するとともに,薬物探知犬の適性に関する遺伝的基盤についても研究を進めた。また,救助犬の研究にも着手し,彼らの探索行動に関する予備的なデータの収集を行った。 薬物探知犬のフィールド実験においては,実際の探索犬を対象にした「フィールド実験」に着手し,20頭以上の個体のデータを収集した。その結果,標的臭の探索時にみせる探索方略に顕著な個体差があることが明らかになった。また,質問紙評価による個体の「性格」データと行動データとの関連を検討した。他方,探知犬の適性に関する遺伝的基盤の検討については、過去に収集した多数個体の行動特性の評価値および認定試験の成績と遺伝子試料の再解析を行い,その成果を論文としてまとめた。 救助犬のフィールド実験については,実際の捜索現場における予備的観察を実施し,対象犬の行動の記録方法の検討を進めた。具体的には,ドローンを用いた撮影手法を確立し,できるだけ広範囲に対象犬の軌跡を追跡できるような実験設定を考案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,計画どおり,とくに薬物探知犬の探索行動を評価するための実験系を確立し,実際の行動データの取得を進めることができた。また,薬物探知犬の適性に関する遺伝的基盤の探索に関する研究を成果としてまとめることができた。したがって,本研究課題はおおむね順調に進捗しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,探索犬約30~50頭分のフィールド実験のデータ取得を完了するとともに,得られたデータの整理および解析を重点的に進める。また,研究成果の公表にも注力する。具体的には,海外の国際学会での発表を予定している。また,とくに薬物探知犬の研究成果について学術誌において公表することをめざす。
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Causes of Carryover |
今年度は物品費が主な支出だったため、旅費や成果発表に関する予算の支出が抑えられた。しかし、次年度以降には探索犬が活躍する現場に出向いての出張調査が増える見込みである。また、海外で開催される国際学会での成果発表も予定されているため,旅費や学会参加費も必要となる。成果発表に伴い,英文校閲費や出版料もかかる見込みである。さらに,対象犬の行動を解析するための機材ならびに解析ソフトウェアだけでなく,解析者や実験協力者への謝金も必須となる。このような見通しのもと,繰越分は次年度内に支出する予定である。
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