2023 Fiscal Year Research-status Report
神経活動操作による細胞成熟状態の変化と行動状態の関係解明
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21K03151
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
昌子 浩孝 藤田医科大学, 医科学研究センター, 助教 (00466278)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脳細胞成熟度 / 光遺伝学 / 化学遺伝学 / カルシウムイメージング / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、遺伝的・環境的要因により脳の神経細胞で生じる成熟状態の変化が細胞・回路レベルおよび行動レベルでどのような機能的役割を果たしているのかを明らかにするため、神経細胞の活動操作などにより細胞成熟状態に変化を誘導したマウスを主な対象として脳の神経活動および行動を調べることが目的であった。本年度は、昨年度に引き続き、神経過活動により海馬歯状回の細胞成熟状態に変化を誘導するため、化学遺伝学的手法を用いて神経細胞を継続的に活性化し、行動解析を行った。また、海馬歯状回において成熟異常を示す遺伝子改変マウスにおいて、海馬歯状回および前頭皮質など複数の脳領域を標的にカルシウムイメージングによる神経活動解析を行い、成熟異常を伴う脳領域での神経細胞の活動状態と行動との関係について解析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、昨年度に引き続き、in vivoカルシウムイメージング技術を用いて、成熟異常を伴う脳領域を含む複数の部位を対象に神経活動解析を進めた。当初、海馬歯状回を標的にカルシウムイメージングを実施する際に技術的な問題により神経活動の測定が困難な場合があったため解析が遅れる結果となった。現在は、実験装置や実験手技の改善により問題を解決し、実験ならびに解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに生じた実験上の問題の改善を進めつつ、神経細胞の成熟度操作について条件の最適化を図りながら、行動中のin vivoイメージングによる神経活動測定を進め、取得データを機械学習などの手法を用いて解析する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は、化学遺伝学的手法を用いた海馬歯状回の神経細胞の活動操作とin vivoカルシウムイメージングによる神経活動解析を進めたが、予想外の結果による計画の見直しや解析技術の検討により進捗に遅れが生じた。そのため、計画を延長し、発生した未使用額をマウスの購入や神経活動解析等に必要な消耗品の購入費用に充てる予定である。
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