2023 Fiscal Year Research-status Report
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21K03158
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
大野 真裕 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (70277820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺川 宏之 都留文科大学, 教養学部, 教授 (80277863)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | Fano多様体 / ネフなベクトル束 / 完備な強い意味での例外ベクトル束列 / 導来同値 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず,標数0の代数閉体上の3次元の2次超曲面上の第1チャーン類が2のネフなベクトル束を分類し,特にそれらはすべて大域生成となることを示した.この結果を論文にまとめて,arXivにarXiv:2311.02836としてアップした.さらに学術雑誌にも投稿した.次に,標数0の代数閉体上の4次元以上の2次超曲面上の第1チャーン類が2のネフなベクトル束を分類し,特に,それらはすべて大域生成となることを示した.この結果も論文にまとめて,arXivにarXiv:2312.09470としてアップし,学術雑誌にも投稿した. 3次元以上の2次超曲面上の第1チャーン類が2のネフなベクトル束は,それに付随した射影空間束がファノ多様体になるという特徴がある.一般に,付随した射影空間束がファノ多様体になるようなベクトル束はFano bundleと呼ばれたりする.Fano bundleに関する研究は,ベクトル束の階数が2の場合の研究など,階数が比較的小さい場合の研究がほとんどである.その中で,今回の結果は,ネフという条件がついているものの,任意の階数のベクトル束を扱っている点に特徴があると考えている.さらに,今回得られた結果は,3次元の2次超曲面上の任意階数のFano bundleの分類の足掛かりにもなるのではないかと考えている. 以上が研究代表者の大野が2023年度に得た研究実績の概要である. また,研究分担者の寺川は,代数的トポロジーの観点からも導来圏を研究するため,昨年度に引き続き,代数的トポロジーに関連した事項の知見を深めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度にボトルネックと思われる部分を乗り越えたため,今年度は,おおむね順調に研究が進み,その成果を論文2本としてまとめることができ,これまでの成果と合わせて,arXiv等に投稿できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画どおりに進める.
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Causes of Carryover |
投稿した論文のオープンアクセス掲載料を科研費で賄うことを考えた.2023年度中に使用することはできなかったが,現在までのところ,2024年度には使用見込みである.ユーロ高等で実際の金額は多少変わりうるが,次年度使用となった金額は,1本の論文のオープンアクセス掲載料に少し足りないぐらいの金額で,今回の次年度使用額と今年度の配分額の一部を使うことで,賄えると考えている.
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