2021 Fiscal Year Research-status Report
アーベル多様体や曲線のモジュライ空間の階層構造の研究
Project/Area Number |
21K03159
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
原下 秀士 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (70396852)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 代数幾何学 / アーベル多様体 / 代数曲線 / モジュライ空間 / 超特異 / 不変量 |
Outline of Annual Research Achievements |
代数幾何学や数論幾何学の主要な課題である、正標数の体上のアーベル多様体のモジュライ空間の階層構造や正標数の体上の曲線の取り得る不変量の性質について主に研究を行った。アーベル多様体のモジュライ空間については、低次元の場合のアーベル多様体のモジュライ空間の各種階層構造のサイクルクラスについて van der Geer 氏との共同研究を開始し、既に主要な結果がまとまるなど、順調に研究が進んでいる。近く論文を発表する予定である。曲線の場合は、低種数の様々な曲線のクラスについて、東京大学の工藤桃成氏や私の研究室の博士3年の大橋亮氏らと超特異・超特別曲線の理論的・計算機的な数え上げについて研究を進めている。既にプレプリントを複数作成し、arXivへの投稿、学術雑誌への投稿を行った。特に、位数が6もしくは9の巡回群の自己同型群を持つ種数3の非超楕円曲線について、その取り得るa-数、p-階数やEkedahl-Oortタイプの決定を行うことが出来た。また、工藤氏とは、特異点を持つ平面曲線の特異点解消(正規化)のアルゴリズムを提出し、またその得られた非特異曲線の正則微分形式の空間の基底を求めるアルゴリズムも提出した。これにより、与えられた平面曲線の特異点解消の各種不変量を計算機的に求めるアルゴリズムを与える第一歩を踏み出せることが出来たと考えている。更に、他の様々なタイプの曲線についても、超特別曲線や多くの有理点を持つ曲線の数え上げ等に成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
工藤桃成氏や私の学生の大橋亮氏らと超特異・超特別曲線の理論的・計算論的な数え上げについて順調に研究が進んでおり、arXivへの投稿後、学術雑誌への投稿を複数行った。また、アーベル多様体のモジュライ空間の各種部分多様体のサイクルの計算についても van der Geer 氏との共同研究を開始し、順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
工藤桃成氏や私の学生の大橋亮氏らと超特異・超特別曲線の理論的・計算機的な数え上げについて、引き続き研究を進めていく。アーベル多様体のモジュライ空間の各種部分多様体のサイクルの計算についても van der Geer 氏との共同研究が順調に推移しているため、引き続き研究を進めていく。新型コロナ感染症の流行も収まりつつあるため、感染対策をとった上で対面での研究打ち合わせを再開していく。また、オンラインでの研究打ち合わせも引き続き行うため、スムーズに打ち合わせができるよう必要があればハードウェアの整備を行う。もちろんその他の計算機環境のメンテナンス等必要に応じ行っていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行により、国内・海外の出張を全く行うことが出来なかったため、その経費については全く使用していない。今年度はその流行が収まりつつあり、規制もなくなってくると思うので、感染対策を講じた上で対面での研究打ち合わせを行うため、その出張の支出を行う予定である。その他オンラインでの研究打ち合わせを充実させるためのハードウェアの整備も行う。また計算機環境のメンテナンスのための支出もある。
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Research Products
(4 results)