2022 Fiscal Year Research-status Report
Syzygies of Projective Varieties and Splitting of Algebraic Vector Bundles
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21K03167
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宮崎 誓 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (90229831)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 射影多様体 / シジジー / Castelnuovo-Mumford |
Outline of Annual Research Achievements |
射影空間における斉次多項式の零点で定義される代数多様体について、主に可換環論的な手法で研究をしています。定義イデアルの極小自由分解・シジジーが研究対象の中心であり、カステルヌボー・マンフォード正則量という重要な不変量を調べています。昨年度に引き続き、正則量の上限をk-ブックスバウム性で制御するという Le Tuan Hoa に提唱された予想を目指して、重複度の理論やLechの仕事を見直しつつ、標準k-ブックスバウムの理論構築の研究を進めているところです。また、正則量の関連する話題を総合的に考え、正則量の漸近的性質と一般射影のファイバーについての幾何学的性質との関係、McCullough-Peeva によるアイゼンバッド・後藤予想の反例の精査を研究しました。ベクトル束の分裂については、ホロックスのオリジナルな結果の拡張、見通しの良い証明を含めた形でのブックスバウム束への応用を考え、擬ブックスバウム束の分類について、3次元射影空間上のNull-Corellation束については環論的な判定法についての論文を準備中です。一方、カステルヌボー・マンフォード正則量の理論を重み付き射影空間への拡張も取り組んでいます。一次元のGruson-lazarsfeld-Peskine の定理については、偏極多様体に一般化した場合、直線束が大域生成と仮定すると、古典的結果の多くに対して、従来の理論のアナロジーが通用します。このことを踏まえて、重み付き射影空間での結果を目指して研究中です。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの議論を見直し、射影空間から、重み付き射影空間へと発展させることに時間がかかっているが、ようやく見通しがついてきた。ベクトル束の分裂については、論文を準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
ベクトル束の分裂、特に、擬ブックスバウムの分類をまとめる。 Castelnuovo-Mumford 正則量の性質の重み付き射影空間への拡張、もしくは、正則量の研究の偏極多様体でのアナロジーについても研究を進める。
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Causes of Carryover |
(理由)コロナ禍で予定していた研究集会への参加と研究打ち合わせ(対面)が十分にできなかった。 (使用計画)すでに、今年の夏には、合宿式の研究集会を予定しており、できる限り、研究交流を徐々に再開する。
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