2023 Fiscal Year Research-status Report
Syzygies of Projective Varieties and Splitting of Algebraic Vector Bundles
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21K03167
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宮崎 誓 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (90229831)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | シジジー / ベクトル束 / 分裂判定法 / ブックスバウム環 |
Outline of Annual Research Achievements |
射影空間における代数多様体について、可換環論の手法を用いて、幾何学的な性質を代数的不変量を用いて記述することが、研究の中心に据えています。定義イデアルのシジジー、カステルヌボー・マンフォード正則量が研究のテーマです。数年前から、この手法がベクトル束の分裂の問題に応用できることがわかり、この方面の研究を進めてきました。射影空間上のベクトル束について、コーエン・マッコーレーの場合は、いわゆるホロックス判定法があり、これが出発点です。この判定法について、様々な証明法を精査し、さらに、ブックスバウム束について、先行結果を研究しました。今年度は、準ブックスバウム束について、新しい判定法を見出しました。奇数次元の射影空間上のNull-Correlation束となるための条件を求めました。さらに、3次元射影空間のベクトル束の準ブックスバウム性について、可換環論における標準パラメータ系によるヒエラルキーを導入し、これらの分類を行いました。これらの結果は、可換環論シンポジウム、日本数学会(年会)の特別講演でも話し、参加者からのコメントが研究の推進に役立ちました。2024年の3月にアーカイブに上げました。現在、論文を投稿中です。これらの結果は、シジジー的手法に基づいており、これまで得られたChang-Gotoの定理にも、シジジー論的な別証明も得ました。現在、準ブックスバウム束の分類に対して、できるだけ広いカテゴリーでの分類を研究中です。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
射影空間上の準ブックスバウム束とNull-Correlation束の研究が進展し、論文を投稿した。
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Strategy for Future Research Activity |
射影空間上の準ブックスバウム束の研究を進めるとともに、射影多様体のシジジーについての研究も進める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍が明けて、旅費の支出が通常に戻ったが、以前の旅費の予定の繰り越しが続いている。研究の進展もあり、今後は旅費も増えてくると思う。
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