2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on local functional equations form representation theory and geometry
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21K03169
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
小木曽 岳義 城西大学, 理学部, 教授 (20282296)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 概均質ベクトル空間 / 局所関数等式 / 裏返し変換 / 双曲幾何 / クラスター代数 / F-多項式 / Markov数 / quiver |
Outline of Annual Research Achievements |
局所関数等式を満たす多項式のペアを今まであまり調べられていない分野から探し出す研究を今年度行った. 具体的には係数付きクラスター代数のF-多項式の各斉次部分に現れる多項式についての概均質性を調べ, もしそれに付随する空間が概均質ベクトル空間であれば, 正則であるか,他の基本相対不変式はないかなどを調べた. 係数付きクラスター代数はquiverに依存して決まるが, そのquiverは多角形の三角形分割と関係している.多角形の三角形分割のうちZigzag型(つまり, どの分割三角形も1辺は外周の辺になっている三角形分割)は連分数展開と関係し,連分数の低次元トポロジーや双曲幾何学とも関係してくるが, これについて和久井道久氏と研究を行っているが、その研究の中で得られた成果が, 当該研究においても役立ち, 双曲的幾何的な現象が多項式にも影響し, クラスター代数と概均質ベクトル空間の間に少し関係性が見えてきている.別の観点から, 双曲幾何学と概均質ベクトル空間の関係との研究として,Markov方程式の2種類の変形q-変形, t-変形を行なった. q-変形の方はLee+Shiifflar, Morier-Genoud+Ovsienkoらによる双曲幾何や低次元トポロジーを背景とするq-変形を参考にして, Markov方程式の解であるMarkov3数のq-変形を行い, それがMarkov方程式のq-変形版の解になり, 古典的な場合の性質を反映していることを示した。一方,概均質ベクトル空間の裏返し変換の立場からMarkov3数のt-変形を行い, Markov方程式のt-変形版の解になっていることを示した.またこれら2つのq-変形, t-変形の間に相互関係があり, 特にそこからZagier形の4-Markov方程式が得られることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
局所関数等式を満たす多項式をquiverに付随する係数付きクラスター代数のF-多項式の観点から見つける研究を行ってきて, それなりにいくつかの概均質ベクトル空間がそこからえられており, またその多項式はSeveri多様体の切断とも関係していることなどを発見するなど、少しではあるが成果が出ている.
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Strategy for Future Research Activity |
多角形の三角形分割やquiverからクラスター代数と限定しない分野の観点から同様の考察をおこない, 概均質的多項式やhomaloidal多項式をを見つけていく研究をすすめていく.特に最近、中島秀斗氏との共同研究で, 多角形の三角形分割から得られる多項式の概均質性やhomaloidal性について研究が進んでおり, また無理数の有理数による最量近似と関係するマルコフ3数のq-変形とt-変形を与え, さらにその相互関係も考察しているが, 前者は双曲幾何と関係しており, 後者は概均質ベクトル空間と関係しているので, その両者にお間にさらなる深い関係がある可能性があり, そのテーマについても今後検討していく.
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Causes of Carryover |
COVID-19が当初収まり,海外渡航、国内渡航が可能になると思われたが、感染拡大の影響のため, それができなかったために次年度への繰り越しをせざるを得なかった.
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