2022 Fiscal Year Research-status Report
Dedekind sums in positive characteristic
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21K03192
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
浜畑 芳紀 岡山理科大学, 理学部, 教授 (90260645)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Dedekind和 / 相互法則 / 関数体 / 保型形式 |
Outline of Annual Research Achievements |
2010年代に研究代表者は Bayadとの共同研究で、有限体上の1変数関数体においてDedekind和とその高次元化を定義して、相互法則を確立した。2010年代後半に研究代表者は、関数体上のLambert級数の変換公式を明示的に記述して、その中に研究代表者たちの定義したDedekind和が現れることを示した。 古典的Dedekind和の値は有理数であり、この値全体は有理数体の中で稠密であることをHickersonは証明した。2012年頃、この関数体の類似を研究代表者は確立した。Kohnenは古典的Dedekind和について、p進体においてもHickersonの類似が成り立つだろうと予想し、Girstmairがこの予想を肯定的に解決した。本研究で、研究代表者は関数体上でKohnenの予想を考察して、Girstmairの結果の類似が成り立つことを証明した。 古典的な場合で、一般化Dedekind和の空間と保型形式の空間との間に同型対応があることは福原真二によって証明されている。研究代表者は関数体の場合でその類似の問題に取り組んでいるが、この研究のためにDedekind和の相互法則の性質を調べる必要がある。 関数体上の相互法則とDedekind和の相互法則との関係を調べるために、一般の関数体上の相互法則の拡張について研究して、その明示的な結果を求めることができた。特に、虚2次関数体の場合の相互法則がBayadの古典的な結果の類似の結果であることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一般化Dedekind和の空間と保型形式の空間との間に同型対応を考えるためには、一般化Dedekind和の相互法則の性質を詳しく調べる必要があるが、十分な結果を求める段階に至っていないから。
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Strategy for Future Research Activity |
一般の関数体上の相互法則の拡張について研究して、その明示的な結果を求めることができた。この結果を参考にして、Dedekind和の相互法則の性質を調べていきたい。 数論の研究集会に参加して、関数体や保型形式についての研究連絡を行い、本研究に関連する情報を収集する。
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Causes of Carryover |
いくつかの研究集会に参加する計画を立てていたが、大学の業務が入ってしまい、研究集会に参加するために支出する旅費を使わなかった。今年度は、数論関係の研究集会に参加するための旅費として研究費を使用したい。
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