2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K03202
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡田 聡一 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (20224016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 雅雄 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (40243373)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 対称関数 / 組合せ論 / 表現論 |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究では,対称関数の間のさまざまな関係式を見出し,それらを表現論,組合せ論に展開することを目指し,(A) 古典型ルート系に付随したSchurのQ関数,(B) 平面分割の数え上げ問題,(C) d-completeな半順序集合上のP-partition,の3つのパートに分けて研究を進めた. パート(A)では,児玉との共同研究において,D型Lie代数(直交Lie代数)に付随した完全Kostant-戸田階層に対して,パフィアンを用いた階層の具体的表示を与えるとともに,新たに導入したSchurのQ関数の変種を用いることによって多項式tau関数を表示する公式を導いた.また,特殊化したSchur関数をSchurのQ関数の2次式で表すMacdonald, Jozefiak-Pragacz, Youの公式の一部が,半スピン表現の行列要素の関係式としてとらえられることが分かった. パート(B)では,Huh, Kim, Krattenthalerとの共同研究において,ある種の制限を課したSchur関数の無限和を1つの行列式として表すアフィン版 Gordon-Bender-Knuth 型等式の定式化・証明に成功した.そして,これらの等式の,cylindric semistandard tableaux,oscillating tableauxなどの数え上げ組合せ論への応用を与えた. さらに,概長方形型Young図形に対応する古典群の既約表現のテンソル積,部分群への制限について,小行列式の和公式を用いてKrattenthalerの結果に代数的な別証明を与え,既約分解の具体的な記述を簡易化した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
児玉との共同研究により,SchurのQ関数の新たな変種が見いだされ,可積分系への応用につながった.
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Strategy for Future Research Activity |
新たに見出したD型Q関数の組合せ論,表現論,幾何学との関係も視野に入れて研究を進める.
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の影響で,参加を予定していた研究集会が中止・延期・オンライン開催となり,また研究打ち合わせのための海外渡航も制限されたため,次年度使用額が生じた.共同研究者との研究打ち合わせなどの旅費に使用する予定である.
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