2021 Fiscal Year Research-status Report
Weak Arf closures of rings versus their strict closures
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21K03211
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
後藤 四郎 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(客員研究員) (50060091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
居相 真一郎 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (50333125)
松岡 直之 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (80440155)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | commutative algebra / Cohen-Macaulay 環 / Arf 環 / Arf 環に関するZariski予想 / 弱 Arf 環 / strict closure / weakly Arf closure / 数値半群環 |
Outline of Annual Research Achievements |
1971年にJ. Lipmanによって提唱されて以来,1次元Cohen-Macaulay (以下C-Mと略す) 半局所環に限定されてきたArf環論を,一般次元の必ずしも半局所環ではなく,C-M環でもないNoether環に拡張し,展開しつつ,他分野への浸透を目指す。 次元1のC-M半局所環については,環のstrict closednessとArf性が同値であるという予想(O. Zariskiの予想)があり,1971年にはZariski自身とLipmanによって体を含む環について肯定的な解が得られていたが,本研究により50年ぶりに完全に一般的に正しいことが証明された。従って,Arf環の概念を適切に高次元に拡張しさへすれば,「高次元のArf環論」とでも呼ぶべき環構造論が期待可能となる。 令和3年度は,このプロセスの第一歩である弱Arf環論を展開し,得られた成果を下記論文にまとめた。 【発表論文】[1] E. Celikbas, O. Celikbas, C. Ciuperc\u{a}, N. Endo, S. Goto, R. Isobe, and N. Matsuoka, On the ubiquity of Arf rings, J. Comm. Alg. (to appear). [2] N. Endo and S. Goto, Construction of strictly closed rings, Proc Amer. Math. Soc., 150 (2022),119-129. [3] N. Endo, S. Goto, and R. Isobe, Topics on strict closure of rings, Res. Math. Sci., 8, vol. 55 (2021). [4] N. Endo, S. Goto, S.-i. Iai, and N. Matsuoka, On the weakly Arf (S_2)-ifications of Noetherian rings, arxiv.org/abs/2204.12132.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
時間をかけ周到に準備しておいた予備的研究が原動力となった。 他に,コロナ禍ですべての対面研究集会が開催不可能になったことを逆手にとり,Zoomによる遠距離会合を頻繁に行い,Slackなどのmediaを利用した研究連絡が軌道に乗ったことが大きな理由であると思われる。 「災い転じて福をなす」と言ったところであろうか。
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Strategy for Future Research Activity |
下記10課題の解明にあたる。 【具体的な課題】① Arf環でない弱Arf環の具体例の構成,② イデアル化やfiber積として出現するArf環と弱Arf環の構造解析,③ 弱Arf性のblowing-upによる特徴づけの発見,④ strictly closed 環の実際的構成法の発見と整備,⑤ 可換Noether環に対する弱Arf閉包の存在証明と構造解析,strict closureとの関連の解明,⑥ 各種環拡大によりstrict closureがいかに保たれるかという問いの解析,⑦ direct summandsと弱Arf性の遺伝性,⑧ 不変式環と弱Arf性の遺伝性,⑨ Stanley-Reisner代数と弱Arf性,⑩ F-pure環と弱Arf性。 今年度に得られた成果は,すでに4論文にまとめ,公表した。引き続き,遠藤直樹氏には,課題①②④⑨⑩に重点を置きつつ全課題での協力を求め,④⑤⑥には松岡直之氏と居相真一郎氏に分担と参加を求めながら,鋭意前進する計画である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のお陰で,計画した出張が全部不可能となったため。次年度に,文具・書籍など,消耗品の購入に充てる。
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