2023 Fiscal Year Research-status Report
Diffeomorphism group and graph homology
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21K03225
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡邉 忠之 京都大学, 理学研究科, 准教授 (70467447)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 微分同相 / グラフホモロジー / 手術 / ファイバー束 |
Outline of Annual Research Achievements |
Boris Botvinnik氏 (オレゴン大学) との共同研究で、4次元以上の円板の微分同相群のホモロジーに関する研究を進めた。 代表者は以前、円板に埋め込まれた3価グラフに沿った「手術」により、円板の微分同相群のホモトピー群の元を構成する方法を発見していた。これは3次元多様体に対するGoussarov-Habiroの手術 (グラフクラスパー手術) の高次元における類似と見なせる。令和5年度は、代表者のGoussarov-Habiro型手術を、3価とは限らない一般のグラフに拡張することを目指し、頂点の価数が高々5のグラフに対して、グラフに沿った「手術」により円板の微分同相群の分類空間のホモロジー群の元を構成することができた。この構成はKontsevichのグラフ複体の一部から円板の微分同相群の分類空間の特異チェイン複体へのチェイン写像を与えており、3価グラフの場合の自然な拡張となっている。Goussarov-Habiro型手術では3価頂点における手術がWhitehead積を幾何的に実現しJacobi関係式がみたされることの類似で、4価頂点と5価頂点における手術では、それらを高次のブラケット積と思ったときL無限大関係式の5次以下の部分がみたされることを確認した。これについて、オレゴン大学において対面で研究打ち合わせできたことや、島根大学およびBIRS(カナダ)において発表する機会が得られたことは有益であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
より一般のグラフに対する「手術」を構成するために有望と思われる新たなアイディアが得られ、それがうまく行くことの確認に時間を費やしたため、論文の執筆が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
そのアイディアの確認には、高次元の複雑な図形を要領よく変形することが必要であった。まとまった時間を費やして確認を進めたが、意外な難しさを含む部分が見つかり、うまく行くかどうかは未だ明確ではない。方針を変更し、すでにできている部分をまず論文にまとめる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症流行により2021年度に出張が制限され一部の予定が後にずれたことの影響による。 次年度使用額は主に論文作成と研究成果の発表にかかる経費として使用する。
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