2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K03235
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
宇田川 誠一 日本大学, 医学部, 教授 (70193878)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | サイン・ゴルドン方程式 / ハイパボリック・サイン・ゴルドン方程式 / アンチ・ド・ジッター空間 / 平均曲率一定曲面 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究方針として、数学用のソフトウェアMathematicaを購入して、2階の非線形微分方程式の解法や近似解の画像表示方法について調べた。離散的曲面の表示式については、sine-Gordon方程式の離散化である広田方程式の楕円関数解を見つけていて、それとPinkal-Bobenkoの論文で得られているθ関数表示式との対応を明確にすることに成功している。一方で、Kaleidocycleに代表される離散的運動を記述する表示式を得るためには、さらに難解な偏微分方程式系の離散版を解かなければならないため、まずは、連続運動を記述する偏微分方程式を解くのが先決と考え、離散版については、本年度は保留にして、関連した対象であるアンチ・ド・ジッター空間内の平均曲率一定の曲面の表示式に関して研究した。その結果、sinh-Gordon方程式の自明な解に対応する平均曲率一定曲面の表示式は得られた。現在は、より一般に、sinh-Gordon方程式の楕円関数解に対応する平均曲率一定の曲面を求める問題に取り組んでいる。この結果は、大阪市立大学数学研究における研究集会(オンライン):The 4th International Workshop "Geometry of Submanifolds and Integrable Systems”で発表した。解くべき方程式としては、極小曲面の場合は Lameの微分方程式になり、平均曲率一定(≠0)の曲面については Hillの微分方程式になることが示されている。Hillの微分方程式についての古典的な解はフロケ理論(Floquet theory)により知られているが、今回の目的にはそぐわない。Lameの微分方程式については、積分表示を用いた解を求めることができた。平均曲率一定の曲面を構成するためにHillの微分方程式を解くことが令和4年度の課題の1つである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
離散幾何の研究者との交流ができなかったこともあり、離散型sine-Gordon方程式に付随する曲面の表示式については保留とした。令和3年度は、概要で述べたように、代わりに、sine-Gorodon方程式と類似したsinh-Gordon方程式について研究し、まずは連続な解について研究し、アンチ・ド・ジッター空間内の平均曲率一定曲面の研究に関していくつかの結果を得た。これは本来の課題を解くための大きなヒントになるため、無駄にはならないと思っている。
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Strategy for Future Research Activity |
最近、九州大学の梶原教授の研究チームが離散的曲線に関する研究で進展があったことを研究会で報告した。その本質的な部分を分析し、離散的曲面の場合にも一般化できるかを検討する。それと Bobenko-Pinkall らの論文との関連性を調べながら研究を進めて行きたい。 離散的曲面の近似解をもとに Mathematica を用いてグラフを描くことも行いたい。 本年度は、可能になれば九州大学へ出張をしたいと考えている。また、本年度の研究実績でも述べたHillの微分方程式について研究したいと考えている。
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Causes of Carryover |
令和3年度はコロナ禍のため、九州大学への出張は控えたため出張費を使用できなかった。また、人件費については採用予定のひとがコロナワクチン接種ができていなかったため、採用を見合わせた。そのため、人件費も未使用になり、物品費をMathematicaの購入で使用したのみとなった。繰越金は、文献整理のための人件費、および、楕円関数・テータ関数関係の書物を購入するための消耗品費として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)