2021 Fiscal Year Research-status Report
Complex analytic invariants on the moduli space of Riemann surfaces using super Riemann surfaces
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21K03239
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
田所 勇樹 木更津工業高等専門学校, 基礎学系, 准教授 (10435414)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リーマン面 / モジュライ空間 / 超リーマン面 / 位相的漸化式 / 周期 / 離散リーマン面 / 写像類群 / 反復積分 |
Outline of Annual Research Achievements |
リーマン面とは複素1次元多様体である.モジュライ空間とは,リーマン面全体を双正則同型により同一視した空間である.複素解析学,微分位相幾何学,代数幾何学,物理学など様々な分野において,重要な研究対象とされてきた.本研究の目的は,モジュライ空間の局所的な構造を定量的に理解することにある. モジュライ空間に対して自然に定まるヴェイユ・ピーターソン体積が満たす漸化式をミルザハニが発見し,その拡張として位相的漸化式が定まる.超リーマン面は超対称性をもったリーマン面の拡張であり,モジュライ空間上の積分である散乱振幅について,ある種の有限性を持つことが知られている.物理学者を中心に研究されてきたが,近年数学側からの研究も活発に行われている.離散リーマン面とは閉曲面上の埋め込まれたグラフに離散複素構造を導入したものであり,分割を細かくしていくと通常の複素構造に近づく. 本研究では,複素構造に依存して定まる周期,調和体積,調和的マグナス展開を,閉・離散・超リーマン面に対して求める.位相的漸化式を通じて,新たな複素解析不変量の導出を試みる. 本年度は,離散リーマン面上の離散指数関数に関する共同研究をオンラインで定期的に行った.いくつかの格子での計算を実行した.最近の調和体積の研究に関する論文を精読した.また,双曲幾何やリーマン面上の測地線に関するこれまでの研究に関して整理した.対称性の高いリーマン面の周期を明示的に導出する数式処理プログラムの作成に取り組んでいる. 研究集会「リーマン面に関連する位相幾何学」を共同でオンライン開催した.定期的に開催している,双曲幾何と数理物理に関する論文を精読する研究集会については,開催を延期した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
離散リーマン面上の離散指数関数に関するいくつかの具体例を導出することができた.また,研究集会「リーマン面に関連する位相幾何学」を共同開催し,充実した研究交流を実施できた.しかし,特別な条件を満たすリーマン面の周期を導出する数式処理プログラムを完成させることができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
グラフ上の反復積分を利用して,離散リーマン面上の周期や調和体積の導出を試みる. また,超リーマン面上での複素解析を数学的に深く理解し,その周期を求める.
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Causes of Carryover |
対面での研究集会の参加・発表を取りやめたため. 未使用額については,論文執筆にかかる諸経費,研究成果発表の旅費,図書購入などに使用する予定である.
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