2021 Fiscal Year Research-status Report
Looking for spaces and structures behind the Thompson groups
Project/Area Number |
21K03243
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金井 雅彦 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (70183035)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Thompson 群 / 自己同型 |
Outline of Annual Research Achievements |
Thompson 群 F, および T に関し以下のような研究を行った. McCleary-Rubin の先行結果にさらに Brin の結果を合わせ用いれば, これらの群の自己同型は「ほとんど」内部自己同型に限ることが従う.ところが,McCleary-Rubin の仕事はいまだに未発表である.一方,Brin の証明は実に混沌としている.そこで,彼等の結果に対する別証明を与えることを試み,それに成功した.まず,McCleary-Rubin の結果に対しては別証明をふたつ与えた.第一の別証明は Thompson 群 F に対するものであり,それがいわゆる lattice-ordered group であることに深く依存したものである.第二の別証明はより初等的かつ平明なものである.さらに,力学系理論における Livschitz 理論の亜種を開発することにより,Brin の定理に対しても別証明を与えた.力学系理論における標準的な手法(の亜種)により,Brin の定理が証明されたことになる.圧倒的に見通しのよい証明であると自負している. なお,半単純 Lie 群の格子に対しても,その自己同型が「ほとんど」内部自己同型であることが,Mostow の剛性定理の系として知られている.上述の Thompson 群に対する結果 と Lie 群に対するそれとの間に類似性が存在することを期待している.その発見に向けて,試行した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021 年度も前年度と同様コロナ禍に対応するための業務に多大な時間を費やすことになったのが,最大の理由である.
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Strategy for Future Research Activity |
内部自己同型に関する研究を終え,いよいよ Thompson 群が作用する「連続かつ巨大な」空間の研究に着手したい.
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Causes of Carryover |
コロナ禍中で,研究計画がたてにくいのが最大の理由である.
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