2021 Fiscal Year Research-status Report
Research on 3-manifolds by splitting and gluing
Project/Area Number |
21K03244
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
斎藤 敏夫 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (90397670)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 3次元多様体 / フロースパイン / 仮想結び目 / リザンドル / デーン手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.任意の有向3次元閉多様体に対して,非特異フローと横断的に交わる分岐スパインは「フロースパイン」とよばれ,3次元多様体の位相的性質に関する情報をすべて含む有用な概念として知られている。また,フロースパインは(DS-diagram,E-dataとよばれる概念を経由して)仮想結び目図式で表すことができる。さらに,そのような2つの仮想結び目図式が,(結び目理論におけるそれとは異なる)ある3つの局所変形により互いに移りあうならば,もとの多様体は同相である。よって,これら3つの局所変形に関する不変量があれば,それは3次元多様体の不変量としても有効であることが分かる。このような背景を踏まえて,石井一平氏,中村拓司氏(山梨大学)との共同研究により,仮想結び目図式における「カンドル彩色」と類似の概念として「リザンドル彩色」を導入し,「ホモロジー群」で区別できる2つのレンズ空間は「リザンドル彩色」でも区別できることを確認した。また,3次元球面とポアンカレ球面も「リザンドル彩色」により区別できることも分かり,「リザンドル彩色」が初等的であるものの「ホモロジー群」よりも優れた不変量であることを示唆している。 2.3次元球面内の与えられた結び目の異なるデーン手術は,基本的には同相でない多様体を生成する。ただし,両手型結び目と2橋トーラス結び目は例外である。さらなる例外的な結び目の有無について,市原一裕氏(日本大学)と伊藤哲也氏(京都大学)と共同研究を行い,量子SO(3)不変量,ヒーガードフレアホモロジー,多項式不変量などを用いることにより,10交点以下の結び目のおよそ75%は例外に該当しないことを確認した。この精度をさらに高めることができないか,引き続き共同研究を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要1については,論文投稿の最終確認を残すのみとなっている。また,研究実績の概要2については,既に論文を投稿済みであるため,おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画にに記載の通り,引き続き,「リザンドル彩色」の性質を精査するため,石井一平氏,中村拓司氏(山梨大学)との共同研究を進める予定であるが,新型コロナウィルス感染症の影響が長引くようであれば,研究打合せを十分に実施できない可能性がある。その場合は,次年度の研究計画内容との入替を行うなど,可能な範囲で柔軟に対応する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響により,国内外の研究集会がオンライン開催となってしまったため,次年度使用額が生じる結果となった。状況が許せば,国内・国外を問わず,多くの研究集会に積極的に参加することにより,研究成果発表のみならず研究情報収集に努めたい。
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Research Products
(3 results)