2022 Fiscal Year Research-status Report
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21K03254
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
豊田 哲 工学院大学, 教育推進機構(公私立大学の部局等), 准教授 (50599701)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | CAT(0)空間 / 距離空間 / 非正曲率性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度までの研究成果を受けて, 2022年度は, 4点間の距離に関する不等式のみから導かれる(あるいは, それらのみからは導くことができない)非正曲率距離空間の性質を明確にすることを目指して研究を進めた. その一つの成果として, 以前から考察をしていた, 任意の頂点数のサイクルグラフに関する「グラフ比較」で表される非正曲率距離空間の性質が, すべて, 4点間の距離に関する不等式のみから導かれるという結果を論文にまとめた. この結果は年度末には掲載紙のウェブページ上に公開された. さらに, サイクルグラフ以外のグラフに関する「グラフ比較」で表される距離空間の性質と非正曲率性との関係について研究を進め, 一般のグラフに関する「グラフ比較」で表される距離空間の性質と非正曲率性の関係について, いくつかの新たな見通しを得ることができた. さらに, それらを考察する過程で, 2つの有限距離空間の間の距離に関して考察を行い, いくつかの新しい事実を発見した. ただし, これらの新たな問題に関する成果に関しては, 現段階においては, 得られた研究成果を公に発表するには至っていない. また, 他の研究者とも継続的に議論を行い, 前年度まで運営していた非公開の研究セミナーを引き続き運営したほか, 国内外の研究集会で, 計2件の研究発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要で述べたようないくつかの成果を上げることができたものの, 本研究の中心的課題である6点以上を含む距離空間がCAT(0)空間へ距離を保って埋め込み可能であることの特徴付けに関しては, 明確な進展を見ることができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度までの研究では, いくつかの成果を上げることができたものの, 本研究の中心的課題である6点以上を含む距離空間がCAT(0)空間へ距離を保って埋め込み可能であることの特徴付けに関しては, 明確な進展を得られていない. 今後はこれまで得られた成果を, 本研究の中心的課題に結び付けていくことを目指したい. 中でも, サイクルグラフ以外のグラフに関する「グラフ比較」で表される距離空間の性質と非正曲率性の関係について2022年度までに行った考察をより深めていきたいと考えている. この観点からのアプローチに関しては, 国外の研究者による最近の先行研究が知られているため, 彼らとの間で議論を深めることも意識していきたい.
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Causes of Carryover |
2021年度中に新型コロナウィルス流行に伴い予定していた出張の多くを行うことができなかった影響がまだ残っており, 次年度使用額が生じている. 2023年度は2022年度に続き, 研究集会等への参加を通じて, 積極的に他の研究者と交流することを計画しているので, その際の出張旅費としたいと考えている.
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Research Products
(3 results)