2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K03283
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
山路 哲史 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50780730)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | Bergman核 / Bergman空間 / Toeplitz作用素 / Hankel作用素 |
Outline of Annual Research Achievements |
Bergman空間においてToeplitz作用素やlittle Hankel作用素などの積分核を用いて表される作用素の特徴づけを行う.2021年度は上半平面でのBergman空間におけるlittle Hankel作用素の特徴づけを行う事を目標に研究を行った.異なるウェイトや異なる指数のBergman空間におけるlittle Hankel作用素が有界作用素となるための必要十分条件が指数やウェイトによってどのようになるのかを考察した. 単位球上のBergman空間においてはすでに結果が知られており,上半平面で考える場合もシューアテストを行う際に用いる非負関数は単位円板の場合とほぼ同様の方法で構成できる.そのため,単位円板と上半平面では領域が有界か非有界かという違いはあるものの,上半平面の場合においても単位円板においてすでに知られている結果と類似の結果が得られることが想定される.まずは考えやすい状況の指数の場合から考え,その後徐々に一般的な状況 へと拡張していくことを行っていた.2021年度末の時点ではBergman空間におけるウェイト及び指数が当初に想定していたほどの一般的な状況までは考察できていないが,ある程度の状況においては上半平面での研究結果に関してまとめることができた. まだ想定していた状況にまでは拡張できていないが,領域の性質の違いによる部分が影響して発生すると想定される問題点はほぼ解決したと思われる.そのため次年度は現時点ではまだ部分的なものにとどまっている結果をより一般的な状況で考察していくことからはじめていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
校務分掌におけるコロナ対応への比重が想定より大きく,研究に十分な時間をあてることができなかった.また,研究打ち合わせや研究集会参加の対面での参加が出来ていないことも大きかったと思われる.共同研究者とは遠隔でも研究打ち合わせを行ったが,対面実施で行っていたときほどの成果はあげられなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
まずは上半平面の場合に異なるウェイトや異なる指数のBergman空間へのlittle Hankel作用素が有界およびコンパクトになる必要十分条件が指数・ウェイトによってどのようになるのかについてまとめることを優先する.それをもとに上半平面より高次元の対称錐や等質錐でのBergman空間におけるlittle Hankel作用素の性質を考察していく. 一方で,単位球におけるlittle Hankel作用素の有界性と logarithmic Bloch 関数の関係についても考察を深めたい.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の影響が大きく,2021年度は研究や出張を思うように行うことが出来なかった.特に出張には一度も行けておらず,2021年度に申請していた旅費は2022年度以降の旅費として繰り越して使用する予定である.
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